中国湖北省武漢で新型コロナウイルス感染症が流行する以前に、米国内での新型コロナへの感染例が発見されたという米国の研究チームの報告書が出た。
米国疾病予防管理センター(CDC)の研究チームが1日に医学ジャーナル『臨床感染症』に発表した報告書の内容を総合すると、新型コロナウイルス感染症の感染者が米国で初めて確認されたのは1月19日のことだ。いっぽう中国湖北省武漢では、昨年12月末から新型コロナの流行が始まっている。
研究チームは、最初の感染者が確認される以前に米国でコロナへの感染例があったかどうかを確認するため、米赤十字社による定期的な献血活動によって集められた血液に対する血清検査を実施した。調査対象期間は昨年12月13日から今年1月17日までで、カリフォルニア、アイオワ、マサチューセッツなど米西部、中部、東部一帯の9州で採取された血液サンプル7389件を検査した。
研究チームは報告書で「血清検査の結果、全血液サンプルの1.4%にのぼる106件から新型コロナの抗体が発見された」と明かした。抗体は、免疫システムが体内に浸透したウイルスなどの病原体(抗原)に対抗する過程で作られるため、抗体が形成されていたということはウイルスに感染したことがあるということを意味する。
研究チームは報告書で「特にカリフォルニア、オレゴン、ワシントンの西部3州では、昨年12月13日~16日に採取された血液サンプル1912件のうち39件(2.0%)からコロナ血清が発見された」とし「(米国で)最初の感染者が公式に確認される1カ月前に、米国西部一帯で散発的なコロナへの感染例があったとみられる」と述べた。