北朝鮮が非核化の期限は年末だと通告している状況で、ドナルド・トランプ米大統領が3日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を依然として信頼しているとし、もう少し見守ろうと述べた。
トランプ大統領は同日、英国ロンドンで開かれた北大西洋条約機構(NATO)70周年記念加盟国首脳会合で、記者団の質問に対し、自分は依然として金委員長に信頼を持っているとしながらも、金委員長は「ロケットの発射が好きだ、そうじゃないか?」と述べた。
トランプ大統領は「それが彼をロケットマンと呼ぶ理由だ」と述べ、最近北朝鮮が相次いでミサイル発射実験を行っていることについて言及した。トランプ大統領は金委員長が非核化を実行することを望んでいるとし、「そのうち分かるだろう」と述べた。
また、トランプ大統領は同日、北朝鮮に対し「もし我々が米国の武力を使わざるを得ないなら、使うこともあり得る」と述べたと、ロイター通信が報じた。
北朝鮮は先週、東海上に向け、超大型放射砲による短距離飛翔体の発射実験を2回も行った。これに先立ち、北朝鮮は同日午後、「リ・テソン外務省米国担当副相談話」を発表し、「残ったのは米国の選択であり、クリスマスプレゼントとして何を選ぶかは、全面的に米国の決心にかかっている」と主張した。
北朝鮮は「朝鮮中央通信」に公開した談話で、「もはや我々がすべきことについて、あえて隠す必要はないため、年末の時限が近づいていることを米国に再び想起させる」としてこのように述べた。米国側が意味のある相応の措置をとらなければ、クリスマス頃に米国を狙った何らかの行動に出る可能性があるという予告だ。金委員長は2017年7月4日、大陸間弾道ロケット「火星-14型」の発射実験を「(米国の)独立記念日のプレゼント」に喩えた。しかし、今回の談話を大陸間弾道ミサイルの発射予告と見る専門家は多くない。
トランプ大統領は、今年2月28~29日にハノイで開かれた朝米首脳会談の決裂と6月12日の板門店(パンムンジョム)朝米首脳会合以降も実務会談に進展が見られず、北朝鮮がミサイル発射実験を続けたにもかかわらず、北朝鮮に対する攻撃と非難を控え、金委員長との関係維持を強調してきた。トランプ大統領は同日も、金委員長との関係維持を強調したものの、2017年に波紋を広げたロケットマンという表現をあえて使い、武力の使用についても言及した。
北韓大学院大学のク・ガブ教授は、「(同日、北朝鮮)外務省が『クリスマスプレゼント』に触れたため、トランプは 『ロケットマン』と『武力の使用』という言葉で対抗した」とし、「双方とも会談を望んでいるが、高度の神経戦を繰り広げているものと見られる。(朝米とも)かなり強い口調で交渉に出てくるよう促している。互いに譲歩を求めている」と分析した。
一方、韓国に対する在韓米軍の防衛費分担金の要求と関連し、トランプ大統領は「米国の安保提供に対して韓国がより多くの金を支払うのが公正だと思う」とし、「韓国と交渉を行っており、彼ら(韓国)は公正にもっと多くの金額を負担しなければならない」と述べた。