独島(ドクト)上空で衝突が発生した場合、自衛隊の戦闘機が緊急発進する可能性を示唆する「防衛白書」を日本が27日、閣議で採択し波紋が生じている。このような叙述には、独島の“紛争地域化”を狙う緻密な策略が込められているとの解釈も出ている。韓国の外交部と国防部は「独島に対する日本政府のいかなる挑発にもきっぱりと対応していく」として、直ちに抗議した。
日本防衛省はこの日確定した2019年版「防衛白書」に、独島が「日本固有の領土」という主張を15年連続で繰り返した。特に7月にロシアの爆撃機が独島付近の韓国領空を侵し、韓国空軍の戦闘機が警告射撃をした事件に関して記述して、独島は日本領土という主張を展開した。白書は「領空を侵したロシア政府、そしてロシア機に対して警告射撃をした韓国政府に対して、外交ルートで抗議した」と書いた後、「わが国(日本)の主権を侵害した行為に対する措置」という部分で、この事件を中国とロシアの軍用機に対抗して自衛隊の戦闘機が緊急発進した事例と並列的に配置した。独島上空で衝突が発生すれば、自衛隊の戦闘機が緊急発進することがありうると言わんばかりの内容だ。
尖閣諸島(中国名 釣魚島)など、領有権紛争地域で中国などに対抗して航空自衛隊の戦闘機を緊急発進させた“軍事行動”と、韓国が実効支配する独島に対する日本の“外交抗議”を並べて取り扱ったのは、日本が独島が自国の領土という主張の強度を順次高めるための策略という指摘がある。独島の“紛争地域化”を試みる日本が、今後自衛隊の戦闘機の緊急発進など、現状変更措置を念頭に置いて、今から名分積み上げに出ているのではないかという解釈だ。
日本が防衛白書を通じて「独島領有権」を主張したことに対し、韓国の外交部と国防部はそれぞれ駐韓日本大使館関係者を招致して抗議した。イ・サンリョル外交部アジア太平洋局局長代理(審議官)はこの日午後、駐韓日本大使館の実生泰介総括公使代理(政務公使)を外交部に招致し「独島領有権」主張に強力に抗議し、直ちに撤回を求めた。
イ・ウォンイク国防部国際政策官もこの日午後、駐韓日本国防武官である海上自衛隊の渡邉達也大佐を国防部に招致し、防衛白書に記述された独島関連内容、レーダー照射、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)と関連した日本側の一方的主張に対して即刻是正を要求し、今後こうした行為を中断することを厳重に求めたと国防部は伝えた。
一方、今回の白書は「北朝鮮は核兵器の小型化・弾頭化の実現に至ったと見られる」と明記した。「実現に至っている可能性を考えることができる」という昨年までの表現より一歩踏み出した。
特に米国以外の国々との安保協力に関して叙述した部分では、韓国の登場順序をオーストラリア、インド・スリランカ、東南アジア国家連合(ASEAN)に続く4番目に記述した。昨年の「防衛白書」ではオーストラリアの次に韓国が登場した。戦略的協力の地位について韓国を降格させたわけだ。
防衛白書に含まれた全体的な内容は、韓国に対して否定的に描写している。「自衛隊の艦旗(旭日旗)をめぐる韓国側の否定的対応とレーダー照射事件の発生、こうした懸案に関して、韓国側に適切な対応を要求し続ける。さらに今年8月には韓国政府から日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を終了させる旨の書面による通告があった。防衛省は『きわめて遺憾』、『日韓、日米韓の適切な連係ができるよう、韓国側の賢明な対応を強く要求する』との発言をした」と書いた。他の国々との防衛協力に関しては、協力動向と成果を主に羅列したことと対照的だ。韓国との防衛協力に対して肯定的に叙述した部分は、北朝鮮問題に関連した韓米日3角協力への言及にとどまった。