ドナルド・トランプ米大統領が10日に退出させたジョン・ボルトン国家安保担当大統領補佐官の後任に、ロバート・オブライエン大統領特使(人質問題担当)を任命した。
トランプ大統領は18日(現地時間)朝、ツイッターに「現在、国務省で人質問題担当大統領特使として成果を上げているロバート・オブライエンを新しい国家安保担当補佐官に任命することを知らせることができて嬉しい」と明らかにした。続けてトランプ大統領は「私はロバートと長い間、一生懸命仕事に取り組んできた」とし、「彼は良い働きをするだろう」と述べた。
オブライエン特使は、マイケル・フリン、ハーバート・マクマスター、ジョン・ボルトンに続きトランプ行政府の4人目の国家安保大統領補佐官として、サウジアラビア石油施設襲撃への対応やイランとの摩擦、朝米非核化交渉、アフガニスタン出口戦略、ベネズエラ危機の解決策などを担当することになった。
オブライエン特使は、国務省で国外の人質解放問題についてマイク・ポンペオ長官と密接に協力してきたという点で「ポンペオ師団」に挙げられる。ポンペオ長官は4月に、オブライエン特使チームから一週間に一回は人質の状況と関連した報告を受けていると明らかにしている。ケリーアン・コンウェイ大統領顧問は最近、新しい国家安保補佐官の人選作業にポンペオ長官が深く関与していると述べ、ワシントンポストは、ポンペオ長官が自分に近いオブライエン特使とブライアン・フック米国務省イラン特別代表、リッキー・ワデル元国家安保会議副補佐官を支持していると報じた。オブライエン特使が国家安保補佐官に起用されたことで、米国の外交安保政策樹立の過程でポンペオ長官の影響力がかなり大きくなると予想される。
オブライエン特使は共和党の外交政策分野で長く活動した経歴があるが、対外的には比較的知られていない。前任者のボルトンのように強硬な対外基調を主張しはしないと言われている。米政府高官は、「オブライエン特使は来年の大統領選挙を控え、国家安保チームが“ドラマ”のような状況を最小限に抑えることを望んでいる状況で『最も安全な選択』と見なされた」とワシントンポストに語った。この当局者は「彼は誰とでもうまくつき合う。地球上で一番素敵な人物」だと話した。これは政府内で対外政策をめぐりマイク・ポンペオ国務長官らと頻繁に衝突を起こしてきたボルトン前補佐官とかなり対照的だ。
カリフォルニア州生まれでカリフォルニア大学バークレー校で法学博士の学位を受けた弁護士出身のオブライエン特使は、ジョージ・W・ブッシュ政権時代の2005年に国連総会に米国代表団の一員として参加し、公職に足を踏み入れた。当時の国連駐在米国大使がボルトン前補佐官だった。オブライエン特使は2007年には米国務省の「アフガニスタンの司法改革のための公共・民間パートナーシップ」共同議長に起用された。トランプ行政府では昨年7月、人質担当大統領特使に就任した。彼は一番最近にはスウェーデンに抑留された米国人ラッパー、エイサップ・ロッキーの裁判に参加するため、7月に現地に派遣されている。
共和党のリンゼー・グラム上院議員はこの日、記者団に対し、「オブライエンは我々の人質交渉家として、素晴らしい交渉技術を持っている。彼は大統領にとって非常に堅実な政策アドバイザーになると思う」と述べた。
これに先立ち、トランプ大統領は17日、カリフォルニアに向かう専用機内で記者団に対して、新しい国家安保補佐官候補5人の名前を挙げ、オブライエン特使について「ファンタスティック」と持ち上げた。また、ブルームバーグ通信も最近、トランプ大統領がオブライエン特使とホワイトハウスで会談したと報道するなど、早くから有力な安保補佐官候補に挙げられてきた。
一方、北朝鮮との実務交渉責任者であるスティーブン・ビーガン国務省北朝鮮政策特別代表は、ジョン・サリバン国務省副長官の後任を務めるだろうという報道が再び出た。ワシントンポストの外交安保専門コラムニストのジョシュ・ロギンは17日付のコラムで、政府関係者3人に聞いたとし、「トランプ大統領がビーガン代表を国務省副長官に指名すると予想される」と伝えた。ただ彼は、サリバン副長官が退出する日付が決まっておらず、ビーガン代表の異動の時期も不確実だと付け加えた。