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[社説]「朝米交渉」の時期に重なる「韓米首脳会談」に注目する

登録:2019-09-16 05:55 修正:2019-09-16 10:12
文在寅大統領が今年4月11日(現地時間)、米ワシントンのホワイトハウスでドナルド・トランプ米大統領と韓米首脳会談に先立ち、握手している=ワシントン/キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が22~26日、米ニューヨークで国連総会に出席し、ドナルド・トランプ米大統領と韓米首脳会談を行う。今まで重要でない韓米首脳会談などなかったが、今回の会談は朝米非核化実務者協議が久しぶりに再開される時点と相まって開かれるという点で特に注目される。また、韓日間の対立が深刻であり、来年度の韓米防衛費分担金交渉が始まる時期でもある。様々な面において、韓国にとっては非常に意義深い会談となる。文大統領には、朝米実務者協議が3回目の朝米首脳会談の年内開催につながるよう、非核化交渉の「促進者」としての役割を明確にすることを期待する。

 最近、非核化交渉の再開を控え、朝米間にはいくつかの好材料が出ている。トランプ大統領が先週、強硬派のジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)を電撃的に更迭し、「(ボルトン氏が)北朝鮮に向けてリビアモデル(核放棄後に補償)に言及したのは、非常に大きな過ちだ」と述べたことは、北朝鮮に融和的なシグナルを送ったものと解釈できる。しかも、トランプ大統領は12日(現地時間)、今年のある時点で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と会うかもしれないという考えも明らかにした。年内に第3回となる朝米首脳会談開催の可能性を開いたという点で意味がある。

 しかし、朝米実務者協議が順調に首脳会談につながるとは考えがたい。今年2月にベトナムで開かれた2回目の朝米首脳会談がたやすく決裂したことは、韓国・北朝鮮・米3者にとって手痛い教訓だ。朝米実務者協議で非核化の明確かつ具体的な進展を遂げることができなければ、年内の朝米首脳会談の開催も非常に流動的にならざるを得ない。朝米協議の再開時期と重なった今回の韓米首脳会談で、文大統領は仲裁者または促進者として朝米協議が実質的な進展を遂げることができるよう、それなりの役割を果たさなければならないだろう。北朝鮮の非核化措置と米国の相応の措置が段階的に行われ、互いの信頼を高める方向で、文大統領がトランプ大統領を説得することが必要だろう。トランプ大統領がボルトン氏の「リビアモデル」発言を公開の場で批判したのは、米国も「段階的解決策」に関心があることを示している。それだけに韓国政府の仲裁はいっそう重要となっている。

 今回のニューヨーク首脳会談では、韓日の対立と韓米防衛費分担金交渉も主要懸案として論議される可能性が高い。文大統領は、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了決定の背景をよく説明し、不必要な韓日対立を防ぎ、むしろ韓日対立の解決に米国が役割を果たすように仕向けることが必要だろう。韓米防衛費分担金問題は国益を最優先し、米国の天文学的な防衛費引き上げ要求が不当だと説得しなければならない。

 いつになく厳しい時期に開かれる文在寅-トランプ首脳会談が、北朝鮮の非核化交渉の糸口となり、朝鮮半島を強固な平和の道へと導く一里塚となることを期待する。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/909591.html韓国語原文入力: 2019-09-15 18:12
訳D.K

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