マイク・ポンペオ米国務長官は25日(現地時間)、北朝鮮のミサイル発射にもかかわらず外交の扉は開かれており、朝米実務交渉が2、3週後に開かれることを希望すると明らかにした。
ポンペオ長官は同日、「ブルームバーグTV」とのインタビューで、北朝鮮のミサイル発射を朝米対話の決裂よりは交渉戦術として捉えたうえでこのように述べたと、同放送が報じた。
ポンペオ長官は「我々は外交が作動することを望む。我々は金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長がドナルド・トランプ大統領に対する非核化の約束を履行することを望んでいる」とし、「我々はこの問題に外交的に進む道、(すなわち)交渉による解決策があるとまだ信じている」と述べた。
ポンペオ長官は、北朝鮮のミサイル発射が朝米の非核化交渉にどのような影響を及ぼすかに関する質問に対し、「誰もが交渉に備えてカードを用意し、相手に対するリスクを作ろうとする」と答えた。北朝鮮の今回の行動を、対話の枠組みを壊すためのものというよりは交渉力を高めるための戦略と見ているということだ。
ポンペオ長官は、朝米実務交渉の時期について、「来週(を意味するのか)?」という司会者の質問に対し、「2、3週後(in couple weeks)になると、私は期待している」と答えた。その一方で、彼は朝米実務交渉が遅延していることについて、あまり気にしていない様子だったと同放送は報じた。先月30日、トランプ大統領と金委員長は板門店(パンムンジョム)で会合を開き、朝米実務交渉を再開することで合意しており、ポンペオ長官は当時、実務交渉が「7月中旬に」開かれると期待していると述べた。
ポンペオ長官は「日にちよりさらに重要なのは、私たちが2週間か4週間、あるいは6週間を待って、(交渉)チーム同士が会った時、生産的な対話ができるようにするのが真の目標」だとし、「2週間や4週間、6週間かかるならそれでも構わないということだ」と述べた。会う時期よりも内容が重要だと強調したのだ。
ポンペオ長官の発言は、韓国時間25日未明に北朝鮮が江原道元山(ウォンサン)一帯で(北朝鮮の)東海に向かって2発の短距離弾道ミサイルを発射した後に出た、米政府高官としては初めての公開的な反応だ。米国は、北朝鮮が今年5月に続き77日ぶりにミサイルを発射したが、依然として対話の可能性を残しつつ、緊張悪化を防ぐために慎重な基調を選んだものと見られる。米国は、今回の飛翔体が「弾道ミサイル」であるものの、米国本土を脅かすほどの大陸間弾道ミサイル(ICBM)ではなく短距離ミサイルであるだけに、北朝鮮にさらなる武力行使は控えるよう求めながら、早期に実務交渉のテーブルにつくよう誘導することに力を入れている。トランプ大統領は金委員長との良好な関係を保っていると繰り返し強調し、北朝鮮の核・ミサイル(大陸間弾道ミサイル)の実験がないという点を成果として掲げてきた。
モーガン・オータガス国務省報道官も、ポンペオ長官と同じ基調を明らかにした。同報道官はこの日の定例記者会見で、北朝鮮のミサイル発射に関する質問に対し、「我々はもちろん関連報道を把握している」とし、「大統領が強調してきたのは、われわれは北朝鮮と“外交的関与”を望んでいるということ」だと述べた。「我々はトランプ大統領と金委員長が話し合ったすべて事項を、外交を通じて解決することを北朝鮮に促している」と述べた。
オータガス報道官は「我々はこれ以上挑発が行われないことを望んでいる」とし、「すべての主体(国)は国連安全保障理事会決議による義務を順守しなければならない。明確に言っておくが、すべての主体が目標に到達したと信じるまで、制裁は維持されるだろう」と述べた。従来の対北朝鮮制裁を維持する方針を同時に再確認したのだ。
オータガス報道官は、北朝鮮のミサイル発射を挑発と見なすか、それとも判断を保留するかに関する質問については直接答えず、「我々が望むのは、トランプ大統領や金委員長、ポンペオ長官、スティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表を含め、両陣営の多くの人たちと共に非武装地帯(DMZ)で行った歴史的訪問以来、ベトナムで行われた約束を引き続き進展させていくことだ」と答えた。朝米実務交渉の計画については「北朝鮮との対話については発表することがない」と述べた。
トランプ大統領は同日午後まで、北朝鮮のミサイル発射について直接発言したり、ツイッターに書き込みを掲載することなく、慎重な態度を示した。彼は同日午前、国防部庁舍で開かれたマーク・エスパー新国防長官の就任式に出席し祝賀演説を行ったが、北朝鮮については言及しなかった。