米国を訪問した菅義偉官房長官が「日本は北朝鮮と相互不信の殻を破り、新たなスタートを切る」と話した。
菅長官は10日午後、ニューヨークで日本政府の主催で開かれた日本人拉致問題関連シンポジウムで「北朝鮮が正しい道を歩むのであれば明るい未来を描くことができる。日本は助力を惜しまない」と話したと共同通信が伝えた。日本が助力を惜しまないという話は、朝-日間の国交が正常化すれば、北朝鮮に経済的支援ができるという意を表したものだ。2002年、小泉純一郎首相が北朝鮮を訪問して、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長と行なった平壌宣言には、両国が国交正常化の後に経済協力をするとされている。菅長官は、拉致問題については「重大な分岐点に来ている。一日でも早く解決するために機会をのがさず果敢に行動する」と話した。
菅長官の発言は、日本政府が最近、北朝鮮と首脳会談をする意志があると強調したことの延長線上にある。彼は10日、マイク・ペンス副大統領との会談で「安倍首相は前提条件を付けずに直接金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長と向き合いたいとしている」と話した。
日本政府は、北朝鮮との交渉に意欲を見せているが、対北朝鮮経済制裁の持続も強調する立場だ。菅長官は、ペンス副大統領に会った後に記者団に「北朝鮮が9日、弾道ミサイルを発射する挑発行動を継続したことはきわめて遺憾という(米日の)認識が一致した。朝鮮半島非核化のために国連安保理決議に基づく制裁を完全に履行していく点も確認した」と話した。
今回の訪米に対して、「ポスト安倍」として最近議論されている菅長官の無難な外交舞台デビューだったとの見方が多い。彼は9日、パトリック・シャナハン米国防長官とマイク・ポンペオ国務長官に会い、10日にはペンス副大統領に相次いで会った。菅長官の訪米日程には、安倍首相の補佐官である和泉洋人氏、外務省と防衛省の局長級官僚など40人余りが同行した。