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金副委員長がワシントン入りした日…米政府、“徹底したセキュリティ”で“丁重な礼遇”

登録:2019-01-19 06:17 修正:2019-01-19 07:43
ビーガン特別代表、空港で出迎え…貴賓駐車場を通じて移動 
ホテルに入る時も取材陣を避け、裏口から 
初日は米高官級要人と晩餐は行わなかったもよう
金英哲北朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長が今月17日(現地時間)、ワシントン近くのダラス空港に到着し、随行員らと共に移動している=NHK放送画面よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長の17日(現地時間)のワシントン訪問は、厳重なセキュリティと米国側の丁重な礼遇の中で行われた。

 金副委員長を乗せた北京発のユナイテッド航空808便は同日午後6時32分(現地時間)、雪が降るワシントン近くのダラス空港に着陸した。訪米団は、キム・ソンヘ労働党統一戦線部統一戦線戦略室長とチェ・ガンイル外務省北米局長代行など、約10人の規模だ。北朝鮮の高官がニューヨークなどを経由せず、しかも米国の民間機で首都ワシントンに直行したのは、今回が初めてだ。

 国務省のスティーブン・ビーガン北朝鮮特別代表は、飛行機着陸約1時間前から空港で待機し、金副委員長を出迎えた。ショーン・ローラー国務省儀典長も出席して、手厚く礼を尽くした。取材陣約50人が空港の随所で待ち構えてきたが、金副委員長は一般人向けの入国場には姿を現さなかった。金副委員長一行が着陸1時間後の午後7時32分、入国審査場の隣にある貴賓駐車場へビーガン特別代表らの案内を受けて歩いてくる姿が、50メートルほど離れた取材陣のカメラにとらえられた。接見室で入国手続きを終え、ビーガン特別代表と40~50分間にわたり歓談したものとみられる。金副委員長一行は、国務省が事前に準備した3台の黒いSUVに乗って、警察車の警護を受けながら、ワシントン市内のデュポンサークルホテルに直行した。ホワイトハウスから北側に約1.6キロメートル離れた場所にあるホテルだ。

金英哲副委員長が、スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮特別代表の案内を受けながら、用意されていた車に乗り込むため、空港の貴賓駐車場へ向かっている=ダラス空港/ファン・ジュンボム特派員//ハンギョレ新聞社

 金副委員長一行は、ホテルの正門に陣取っていた取材陣をかわし、夜8時過ぎに裏門からホテルに入った。マーク・ナッパー国務省次官補代理(東アジア太平洋担当)がホテルで待機し、金副委員長を迎えた。デュポンサークルホテルの宿泊料金は通常1泊120~130ドルで、2000年に趙明禄(チョ・ミョンロク)国防委副委員長がワシントンを訪問した際に3泊4日間滞在したメイフラワーホテルより安い。同ホテルの8階にある客室のうち約30室が統制されている。

 金副委員長が空港からホテルへ直行したことから、到着同日は米国側高官との晩餐はなかったものと見られる。金副委員長が昨年5月末にニューヨークを訪問した際は、初日にニューヨークの全景が見渡せる55階建てのコリンティアン・コンドミニアムで、ポンペオ長官と晩餐を行った。高官との晩餐は18日に行われる見通しだ。

 トランプ大統領と国務省は金副委員長がワシントンに到着した同日夜まで、この事実を公表しなかった。ある外交筋によると、米国が情報機関の首長である金副委員長を配慮したものだという。金副委員長は19日午後3時35分、エアチャイナの航空便で帰国の途に着く予定だ。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/878972.html韓国語原文入力:2019-01-18 21:12
訳H.J

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