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核の専門家たち「『不可逆的非核化』は概念規定が難しい」

登録:2018-10-18 21:24 修正:2018-10-19 07:07
ヘイノネン元IAEA事務次長 
「寧辺核施設を廃棄しても不可逆判断は難しい」 
オルブライト所長「概念自体が誤り…用語の使用を中止すべき」
オリ・ヘイノネン元国際原子力機構(IAEA)事務次長=資料写真//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が最近の欧州歴訪で、「北朝鮮の非核化が後戻りのできない段階に来たという判断ができれば、国連制裁の緩和を通じて非核化を一層促進しなければならない」と明らかにした後「不可逆的非核化の段階」の定義に関心が集まっている。大統領府や政府では、まだこれと関連して具体的な言及をしていない。こうした中で、核専門家たちの間では「不可逆的非核化」という概念自体が不適切だという指摘も出ている。

 オリ・ヘイノネン元国際原子力機構(IAEA)事務次長は、北朝鮮の非核化が「後戻りのできない」段階に来たと評価するためには、二つの主要な措置が必要だと述べたと「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)放送が18日伝えた。このメディアによれば、ヘイノネン元事務次長は、北朝鮮国内のすべての核兵器の国外搬出▽高濃縮ウラニウム、プルトニウムなど核物質生産施設の廃棄または不能化が先決されなければならないと主張した。さらにこうした措置に対する検証も含まれなければならないと付け加えた。

 ヘイノネン元次長は、北朝鮮側が寧辺(ヨンビョン)核施設の永久廃棄および検証手続きを終えると言っても、北朝鮮の非核化が復元不可能な段階だと判断することは難しいと明らかにした。寧辺核団地の他に少なくとも1個以上の高濃縮施設がある可能性が高いので、寧辺を廃棄すると言っても北朝鮮は依然として高濃縮ウラニウムを生産できるという主張だ。彼はまた、北朝鮮が保有している核物質の正確な規模が把握されていないので、非核化が復元不可能な段階に入るには寧辺核施設の廃棄を超える措置がなされなければならないとも述べた。

 核の専門家であるデビッド・オルブライト科学国際安保研究所(ISIS)所長は「復元不可能な」非核化段階を定義することは不可能だと主張したと、このメディアは報道した。やはり北朝鮮の核兵器の規模などに対する正確な把握がなされていないためということだ。寧辺などの核施設の廃棄と検証は、相当に重大な進展とは言えるが、北朝鮮が依然として数十発の核兵器を保有している点も見逃してはならないと話した。彼は、文大統領がこの概念の使用を中止することを提案した。それと共に、北朝鮮がすべての核施設を申告し、視察団の接近を許容し、北朝鮮の核兵器の規模がある程度把握された時に制裁緩和のような相応の措置を取ることが適切だと付け加えた。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/866338.html韓国語原文入力:2018-10-18 18:14
訳J.S

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