「サンフランシスコの慰安婦被害者記念碑は、性奴隷化と人身売買の苦痛を強要され、今も強要されているすべての女性の象徴だ」
日本の大阪市が、慰安婦被害者記念碑の設置に反発して姉妹提携を破棄すると、米国サンフランシスコ市の市長が4日(現地時間)、反論声明を発表した。
サンフランシスコ市のロンドン・ブリード市長は声明で「(慰安婦)被害者は尊重される価値がある。慰安婦記念碑は、私たちが決して忘れてはならない教訓と事実を呼び覚ます」と明らかにした。ブリード市長は「市長1人が60年以上続いてきた二つの都市市民の関係を一方的に終えることは不可能だ。私たちが見るには、サンフランシスコと大阪の姉妹都市関係は両都市市民間のきずなを通じて今も続いている。サンフランシスコは二つの偉大な都市をつなぐきずなを今後も強化することを願う」とも述べた。
これに先立って今月2日、大阪市の吉村洋文市長はサンフランシスコ市内のセントメリーズ公園に慰安婦記念碑が設置されたことに抗議して、1957年から続いて来た両都市の姉妹提携を破棄すると通知した。吉村市長は公開書簡で「(慰安婦被害の実態は)歴史研究者の間でも意見が分かれている。慰安婦の数、旧日本軍の関与程度、被害規模などが不明確だ。不正確で一方的な主張を歴史的事実として(記念碑に)書き込んだ」として「これは歴史を直視することではなく、単純な日本批判に過ぎない」と主張した。
サンフランシスコ慰安婦記念碑には「1931年から1945年まで、日本帝国軍隊が“慰安婦”と呼ばれたアジア太平洋13カ国の数十万人の少女と女性を性的に奴隷化し、苦痛を与えたという証言がある」という字句が書かれている。大阪市は、内容が不正確だと主張するのを超えて「他国の軍隊にも問題があった」として“希釈化”まで試みた。「戦時の性問題は旧日本軍だけの問題ではなく、第2次世界大戦の中で米軍、英国軍、フランス軍、旧ソ連軍などでも存在した」と主張した。
昨年9月、サンフランシスコの市民団体「慰安婦正義連帯」は、記念碑を市に寄贈する形式で設置した。記念碑は、韓国、中国、フィリピンの少女が互いに手を握って輪になって立ち、これを韓国居住の慰安婦被害者として初めて被害の事実を実名で証言したキム・ハクスンさんが眺めている形状だ。サンフランシスコ市議会は昨年11月、記念碑の寄贈を受け入れ、エドウィン・リー前市長がこれを最終承認した。大阪市はその時から姉妹提携の破棄方針を掲げて猛反発した。安倍晋三首相も「サンフランシスコ市長に記念碑の寄贈を受けないよう要請する予定」だと話した。大阪市は昨年12月、リー前市長が突然死亡すると新任市長を相手に撤去ロビーに乗り出した。
大阪市は、ロビーの効果がないと判断し、結局姉妹提携を一方的に破棄した。サンフランシスコ市の声明に対して吉村大阪市長は5日「行政的関係は終わるが、民間次元での交流は続けてもらったらいい」という反応を出した。