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北朝鮮外相「朝米合意、均衡・同時・段階的に履行しなければ」

登録:2018-08-05 21:52 修正:2018-08-06 07:00
原則・方法論を公式に明らかに 
「核試験場廃棄など先行措置にもかかわらず 
米国は終戦宣言で後退する態度が見える 
信頼造成のための措置を先行させなければ」
マイク・ポンペオ米国務長官が4日、シンガポールのエキスポ・コンベンションセンターで開かれたASEAN地域安保フォーラム(ARF)フォトセッションで、リ・ヨンホ北朝鮮外相に先に近付いて握手を求め笑顔で話を交わしている/聯合ニュース

 「信頼造成を先行させ、共同声明のすべての条項を均衡的、同時的、段階的に履行していく新しい方式のみが成功できる唯一の現実的な方法だと私たちは信じている」

 リ・ヨンホ北朝鮮外相が4日(現地時間)、シンガポールのエキスポ・コンベンションセンターで開かれた第25回ASEAN地域安保フォーラム(ARF)外交長官会議での演説を通じて明らかにした6・12朝米首脳会談共同声明履行の大原則と方法論だ。さらにリ外相は、それぞれ異なる2点を共に強調した。「朝米共同声明を責任と誠意をもって履行していこうとする朝鮮民主主義人民共和国の決心と立場は確固不動だ」 「私たちだけが一方的に先に動くことは絶対にないだろう」。要約すれば「一方的非核化」要求は受け入れないとし、米国に6・12共同声明の「均衡・同時・段階的履行」を求めたわけだ。

 この演説は、6・12朝米首脳会談以後、初めて北朝鮮側が外交責任者の公開演説を通じて、6・12共同声明の履行および最近の情勢と関連して総合的に整理された公式見解を国際社会に明らかにしたという点で意味が大きい。これに先立ち、マイク・ポンペオ米国務長官の3回目の訪朝直後に北朝鮮側は、外務省報道官談話(7月7日)を通じて見解を明らかにしたが、発表主体の格と形式において今回の演説より公式性が低い。

 リ外相は、2800字余りの演説で「信頼造成」を8回、「新しい」または「新」(方式・歴史・気流・戦略・関係など)という表現を11回も使い、長年の「朝米敵対関係」との断絶の必要性を力説した。特に彼は「朝米共同声明の完全な履行を担保する根本の鍵は、信頼造成」と強調した。彼は「米国が私たちに、安心して近くに寄れるようにする時、私たちもまた米国に心を開き、それを行動で見せられるようになるだろう」としながら「これが朝米両国の首脳が成し遂げた合意の根本の核」と述べた。

 そして「核実験とロケット発射の中止、核試験場の廃棄など主動的に先に取った善意の措置に、肯定的回答どころか米国側は制裁を維持しなければならないという声がさらに高まり、朝鮮半島の平和保証の初歩の初歩である措置の終戦宣言問題まで後退する態度を見せている」と批判した。さらに「憂慮の恐れがあるのは、米国国内で首脳部の意図とは異なり古い姿に戻ろうとする試みが表出され続けていること」とし、「朝米共同声明が米国の国内政治の犠牲物になって首脳同士の意図と異なる逆風が生じることを許容してはならない」と主張した。ドナルド・トランプ米大統領を“批判の標的”から抜きながらも、6・12共同声明の履行と関連した最近の情勢の膠着は「米国のせい」と主張したわけだ。

 国家安保戦略研究院のチョ・ソンニョル首席研究委員は「朝米首脳間の合意を破ることはないという意味と読まれる」として「ただし、朝米は終戦宣言問題をめぐり意見の相違がある。北朝鮮はこれを信頼構築のために必要な最初の措置と見ており、米国は意味のある非核化の最初の措置に対応する措置として見ているようだ」と指摘した。

シンガポール/キム・ジウン記者、ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/856312.html韓国語原文入力:2018-08-05 19:44
訳J.S

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