韓国に「幽体離脱話法」があるならば、日本には「信号無視話法」がある。安倍晋三首相が私学法人特恵スキャンダルで窮地に追い込まれ、国会での質問にとんでもない答弁で時間を費やし、論点をすり替えることを皮肉る言葉だ。
朝日新聞は20日、安倍首相の国会答弁を色別に分析した「信号無視話法」分析が最近話題を集めていると報道した。これによれば、ある30代の会社員は先月30日、安倍首相と野党代表の間で行われた「党首討論」での、安倍首相の答弁をを分析し、質問と全く関係のない答弁は赤色、返事はせずに質問の内容を繰り返したりそれを解説した場合は黄色、答弁をすれば青色に分類してインターネットに公開した。
第一野党の立憲民主党の枝野幸男代表は当時、「公人ではない首相夫人が(首相夫人を補佐する)公務員を動員し、(森友学園に)優待措置をすることができないかと打診したことは妥当か」と質問した。安倍首相は4分に及ぶ長い答弁をした。ところが答弁の75%は質問と関係のない別の話だった。「NHKで(国会中継を見る国民は)ヤジがよく聞こえないかも知れないが、ラジオで聞けば(ヤジが多いことが)分かるだろう」としてヤジを飛ばす野党を非難したり、「首相夫人担当職員がいることが問題の本質か否かという質問」としながら質問の内容をもう一度言いながら確認した。安倍首相はこのように話をぐるぐる回したあげく「私の個人事務室から妻を担当する職員を送ることが良かったかも知れない」と答えた。この会社員が安倍首相の答弁を文字数で分析してみたところ、「青色」は全体の4%に過ぎなかった。「黄色」が41%、「赤色」が34%だった。
安倍首相と閣僚が「ご飯論法」を使うという批判も出ている。「ご飯論法」とは、「朝ご飯食べたか」という質問に「(パンは食べたがコメのご飯は食べなかったので)食べていない」という形で意識して質問の趣旨を避ける答弁を皮肉った言葉だ。先月、小池晃・共産党議員が安倍首相に「今の話はご飯論法」と批判したことがある。小池議員は、加計学園獣医学部新設許可と関連して、友人である加計孝太郎理事長と話したことがあるかと尋ねたが、安倍首相は「(手続き上、獣医学部新設許可に)一点のくもりもない」として、論点を回避した返事をした。