本文に移動

北朝鮮非核化への技術・資金支援は「ナン・ルーガー」方式で?

登録:2018-06-08 06:19 修正:2018-06-08 07:50
5日「ナン・ル―ガ―方式」の説明を受け 
ホワイトハウス「大統領は真剣に取り組んでいる 
毎日いくつかの方式で報告を受けている」
ドナルド・トランプ米大統領(右)が今月1日、ホワイトハウスの南の庭で金英哲労働党副委員長兼統一戦線部長との面会後、記者団に発言している。マイク・ポンペオ米国務長官(左)がトランプ大統領の発言を聞いている=ワシントン/UPI、聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との歴史的な朝米首脳会談を控え、準備に余念がない。このような中、最近「ナン・ルーガープログラム」と呼ばれるウクライナの核廃棄方式に関する報告を受けたことが分かり、注目を集めている。

 ホワイトハウスのケリーアン・コンウェイ大統領顧問は6日(現地時間)、トランプ大統領の朝米首脳会談の準備状況と関連し、記者団に「大統領が検討する膨大な書面資料がある。真剣に取り組んでいる」と述べた。彼女は「広範囲ながらも入念に準備を重ねている」と述べた。コンウェイ顧問は、保安を理由に具体的な説明は避けながらも、「大統領がさまざまな方式でブリーフィングを受けて準備している」とし、「かなり多くの人たちに報告を受けている」と強調した。

 これと関連して「ブルームバーグ」は2人の米国当局者を引用し、トランプ大統領がマイク・ポンペオ国務長官にここ数週間、一週間に8~10時間ずつのブリーフィングを受けたと報道した。また、韓国系のアンドリュ―・キム中央情報局(CIA)コリア・ミッションセンター長もブリーフィングを手伝っていると報じた。

 特に、「ブルームバーグ」はトランプ大統領が5日、サム・ナン、リチャード・ルーガー元上院議員から、ソ連の崩壊により独立した国々に残っていた核兵器を除去するため、彼らが1991年に立法した「ナン・ルーガー法」についてブリーフィングを受けたと報道した。ソ連崩壊により独立したウクライナやカザフスタン、ベラルーシなどは自国領土に配備された核兵器をロシアに引き渡す見返りに、西欧から経済支援と体制保証を受けた。米国はまた、ナン・ルーガー法によって作られたプログラムを通じて、これらの国に配備された核兵器など大量破壊兵器を管理し、減縮するのに必要な費用と技術を支援した。ナン・ルーガープログラムには核と生物化学兵器製造に従事していた科学者らを平和的研究の方に転職させる内容も含まれている。

 米国は1991年から2012年まで同プログラムに予算や基金、事業の形で毎年約10億ドルずつを投入した。その結果、これら国家に配置された大陸間弾道ミサイル(ICBM)537基や大陸間弾道ミサイルの格納庫459個、爆撃機128台、空対地核ミサイル708基、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)496基、核潜水艦27隻、核実験トンネル194ヵ所を廃棄できた。この法案を主導したナンとルーガー元議員は4月、ワシントンポスト紙への寄稿で、北朝鮮に対しても米国が同盟国と共同で資金を調達し、核廃棄を支援できると主張した。

 トランプ大統領がナン・ルーガープログラムについて説明を受けたという事実が伝わったことで、「核廃棄の歴史上最大の難題」とされる北朝鮮の核廃棄にもこの方式を適用するかが注目される。トランプ大統領は先月17日、「先核廃棄、後段階的見返り」を内容とする「リビアモデル」について、「我々が北朝鮮について考えるモデルではない」と強調した。

 一方、トランプ大統領が北朝鮮との交渉に積極的に乗り出した背景には、金正恩(キム・ジョンウン)委員長を対話が可能な人物だと判断した中央情報局の報告書が大きな役割を果たしたと、朝日新聞が7日付で報道した。中央情報局コリア・ミッションセンターが昨年秋に作成した報告書は、金委員長について「西欧文化に対する強い憧れと尊敬を持っており、北朝鮮の歴代指導者たちより交渉しやすい相手」だと分析した内容が盛り込まれていると、同紙は報じた。

ファン・ジュンボム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/848096.html韓国語原文入力:2018-06-07 21:29
訳H.J

関連記事