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韓米日防衛相会議の声明でも「圧力」の代わりに「外交努力を支援」

登録:2018-06-05 05:42 修正:2018-06-05 07:09
「引き続き非核化への外交努力を支援」内容の声明を採択 
日本、北朝鮮への圧力主張したが、受け入れられず 
7日、日米首脳会談でも再度要求する見込み
ソン・ヨンム国防長官(左)や米国のジェームズ・マティス国防長官(中央)、日本の小野寺五典防衛相が今月3日、シンガポールで3カ国防衛相会議に先立ち、握手を交わしている=シンガポール/AFP、聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領が北朝鮮に対して「最大の圧力という言葉をこれ以上使いたくない」」と述べた後に発表された韓米日防衛相の共同声明で、「圧力」という言葉が姿を消した。日本政府は「対北朝鮮圧力」を主張し続けたが、受け入れられず、当惑する様子だった。

 ソン・ヨンム国防長官や米国のジェームズ・マティス国防長官、日本の小野寺五典防衛相は3日、シンガポールで開かれた3カ国防衛相会議で、「北朝鮮を完全かつ検証可能で不可逆的な方法で非核化(CVID)するための外交努力を引き続き支援する」という内容が含まれた共同声明を発表した。北朝鮮のミサイル発射が続いた昨年10月の3カ国防衛相共同声明には、「最大の圧力」を加えるという文言が盛り込まれたが、今回は「外交努力を引き続き支援する」という比較的柔らかい表現が用いられた。

 日本は今回の共同声明でもかつてのように「最大の圧力」という用語を使うことを望んだが、朝米首脳会談を控えて対話を重視しなければならないという韓国と米国に反対されたものと見られる。日本経済新聞は4日付で、「小野寺防衛相が(3カ国防衛相)会談で圧力を続けなければならないと主張」したが、結局、この内容は共同声明に盛り込まれなかったと報じた。小野寺防衛相は会談後、記者団に「圧力を加え続けることは(3カ国の)共通の認識」だと説明することで満足しなければならなかった。

 韓米日防衛相会議で出た発言を見ても、対話を重視する韓米と圧力を強調する日本の立場の相違は明らかだ。小野寺防衛相は「我々の目標が大量破壊兵器およびすべての射程距離の弾道ミサイルの廃棄にあることは変わりがない」と述べた。日本はこれまで朝米首脳会談の議題に、北朝鮮の核廃棄だけでなく、生物化学兵器と日本を攻撃できる「ノドン」など短距離弾道ミサイルまで含まれるべきだと米国に要求してきた。一方、マティス国防長官は同日、「(北朝鮮が)非核化に向けた検証可能で不可逆的な行動を取る前まで、見返りを得ることはない」と述べるにとどめた。トランプ大統領の発言通り、「最大の圧力」という用語を使わなかったのだ。ソン・ヨンム国防長官も「最近の北朝鮮の肯定的な動きを見ると、明るい未来を見通すことができる。この機会を活かさなければならない」と述べた。

 菅義偉官房長官は4日の定例記者会見で、7日の日米首脳会談でも「圧力の路線」を維持するのかという質問に対し、「これまで日米間で綿密に調整してきた方針を維持し、北朝鮮問題の解決に向けた具体的な行動を引き出せるよう協力する」と述べた。「圧力」という言葉は使わなかったものの、日本が維持してきた対北朝鮮強硬論を引き続き米国に伝えるものと見られる。

東京/チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/847610.html韓国語原文入力:2018-06-04 21:48
訳H.J

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