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朝米儀典交渉チームもシンガポールで接触を開始

登録:2018-05-30 03:56 修正:2018-05-30 07:14
金正恩委員長の秘書室長キム・チャンソン部長が到着 
ヘイギン次席補佐官など米国代表団も合流 
 
キム部長、2代にわたり補佐する核心側近 
ヘイギン次席補佐官は「トランプ大統領に欠かせない存在」 
朝米首脳会談の儀典などと関連した実務協議を行う両国代表団がシンガポールに到着した姿をNHKが報じた。左は金正恩一家の秘書室長に当たるキム・チャンソン国務委員会部長、右はホワイトハウスのヘイギン次席補佐官=NHK提供/聯合ニュース

 6月12日にシンガポールでの開催が予定されている朝米首脳会談の儀典などを話し合うため、北朝鮮と米国の実務代表団が29日から接触を始めたことが確認された。北側は金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の秘書室長に当たるキム・チャンソン国務委員会部長が、米国側はホワイトハウスのジョセフ・へイギン次席補佐官がそれぞれ代表団を率いている。

 朝米関係に詳しい政府消息筋は同日、「朝米がシンガポールで儀典や警護、輸送関連を調整する」と話した。両国代表団は今回の接触で会談場所や時間をはじめ、首脳らが泊まる宿泊先や移動経路、儀典、警護など、会談全般にわたる細部事項を協議する見通しだ。両方とも前日シンガポール入りしており、早ければ29日から会談が開かれるものと予想されたが、同日夕方まで両方の接触有無は確認されなかった。ただし、ヘイギン次席補佐官は同日午前、「朝米協議が開かれるか」という一部取材陣の質問に対し、「今日、多くの会議があるだろう」と答えたという。

 外交界では、金委員長にとっては最近2度の中国訪問を除き、今回のシンガポール行きが執権後初めての国外訪問であるため、輸送や警護、儀典に対する北側の関心や懸念が相対的に多いものと見ている。金委員長を至近距離で補佐してきたキム・チャンソン部長が直接8人の代表団を率いて協議に乗り出したもそのためと見られる。

 金正日(キム・ジョンイル)総書記時代から書記室所属だったキム部長は、1993年に党書記室副部長になって以来、金総書記の側近と言われてきた。2012年初めから金正恩委員長の書記室長(秘書室長)を務め、2代にわたり最高指導者を補佐している。キム部長は、今年2月の金与正(キム・ヨジョン)中央委員会第1副部長が特使資格で訪韓した際も、高官級代表団として随行した。4・27板門店(パンムンジョム)南北首脳会談の準備に向けた「儀典・警護・報道」実務会談の北側首席代表も務めた。

 ヘイギン次席補佐官も2人の大統領をホワイトハウスで補佐した異色の経歴の持ち主だ。ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領が共和党大統領予備選挙に出馬(1979年)した際、参謀陳に加わった彼は、息子のジョージ・ブッシュ大統領時代にホワイトハウス次席補佐官に抜擢された。2001年から2008年までブッシュ大統領を補佐した彼が、トランプ政権発足後、同じポストに復帰したのだ。米国メディア「エクシオス」はこれに先立ち、ヘイギン次席補佐官について、「(トランプ政権に)欠かせないが、あまり目立たない(low-key)存在」だとし、「ホワイトハウス本来の機能を発揮させる方法を知る数少ない人物」だと評価した。

 共和党出身の米国大統領2人の秘書と2代にわたる北朝鮮の最高指導者の秘書が相対する点も、今回の朝米交渉で注目を集める部分だ。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/846799.html韓国語原文入力:2018-05-29 21:59
訳H.J

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