中国の習近平国家主席と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は3月末に続き、約40日ぶりに電撃的に行なわれた二度目の会談で、急速に回復された親善関係を思う存分アピールした。
二人は、金委員長が中国遼寧省大連を訪問した初日の7日に首脳会談と宴会を開き、「朝中両国の血縁的な絆」を再確認したのに続いて、翌日にも対話を続けた。特に二人は8日午前、指導者たちの休養施設がある棒錘島の海辺を一緒に散歩しながら「胸襟を開いて和やかに話した」と、北朝鮮の朝鮮中央通信が報道した。中国の「新華社通信」が報じた海辺の散歩の様子は、まるで4・27南北首脳会談で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金委員長が、板門店(パンムンジョム)の徒歩橋を二人きりで歩いていた場面を連想させる。
朝鮮中央通信はまた、「金正恩同志と習近平同志は、茶芸を鑑賞し、重要な談話を交わしながら、迎賓館青島閣で昼食を共にした」と報じた。同通信は「最も真実のこもった熱烈な友情と尊敬、欽慕の感情が熱くあふれる中で行われた昼食会は、両党と両国の最高指導者の特別な同志的親交関係をさらに深めるものだった」と報道した。同日午後、平壌(ピョンヤン)に帰る大連空港歓送行事には中国側から王滬寧共産党政治局常務委員と宋濤共産党対外連絡部長などが出席した。金委員長は帰国する際、習主席に感謝状を送った。
今回の金委員長の訪中は、今年3月同様、双方が官営メディアを通じて公式発表する前までは完全にベールに包まれていた。金委員長の訪中が大方の予想に反して電撃的に実現しており、中国当局の徹底した統制が敷かれたためだ。
金委員長が訪問した遼寧省大連では、今月6日から主要道路が統制され、貴賓の訪問についてのさまざまな予測が飛び交った。特に、棒錘島一帯と空港から同島を結ぶ道路は主要管制の対象だった。しかし、この時も習近平国家主席が訪問する可能性が高いと見られていた。大連港に停泊中だった中国の二番目の空母001Aが初の実験運航に乗り出す可能性が取りざたされていたからだ。7日に大連空港で北朝鮮の航空機が目撃されたという情報が伝わってから、大連には世界の耳目が集まった。大連には北朝鮮を往来する定期航空便がないため、現地の空港の実務者らにとっても北朝鮮の航空機の登場は珍しい出来事だった。しかし、「北朝鮮の航空機を見た」人たちも、それが金委員長の専用機なのか、それとも民間旅客機なのかは特定できなかった。
大連周辺の航空統制は8日午前も続いたが、訪問した関係者が誰なのかは依然として確認されなかった。同日午後3時(現地時間)過ぎ、日本のNHKが大連空港で「朝鮮民主主義人民共和国」と書かれた金委員長の専用機「オオタカ1号」が離陸する姿を報道した時も、実際の機内に金委員長が乗っているかどうかはわからない状態だった。航空機が北朝鮮の空域に入ったと思われる時間から1、2時間が過ぎても、中国官営メディアは何も報道しなかった。
金委員長の中国訪問の事実は官営の中国中央テレビ(CCTV)が8日夕方7時、主要ニュース番組「新聞聯播」のトップニュースとして、中朝首脳会談を報道してから公式に確認された。これは今年3月末、金委員長が乗った専用列車が丹東から新義州間の国境を越えた後、中国中央テレビの報道を通じて訪中の事実が確認されたのと同じパターンだった。