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金正恩が電撃訪中…習近平と初の首脳会談

登録:2018-03-27 21:09 修正:2018-03-28 07:41
南北-朝米会談を控え、中国との関係復元に乗り出す 
執権7年目にして初の海外訪問…27日に北京を出発 
夫人のリ・ソルジュ、妹のキム・ヨジョン第1副部長同行観測も
金正恩労働党委員長が25~27日に中国を訪問し、北京で習近平国家主席と会談したことがハンギョレによる取材で確認された。左は金委員長が2月8日の朝鮮人民軍創建70周年記念閲兵式に参加した姿、右は20日に北京人民大会堂で全国人民代表大会閉幕式を終えた習主席の姿//ハンギョレ新聞社

 金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党委員長が中国を電撃訪問し、習近平・中国国家主席と初の首脳会談をした。

 25~27日の日程で中国を訪問した北朝鮮の高位級要人は金委員長だったことがハンギョレによる取材の結果、確認された。2011年北朝鮮の最高指導者になった金委員長は、7年目にして初の外国訪問地に中国を選んだ。南北首脳会談と歴史的朝米首脳会談を控え、伝統の友邦である中国との関係復元に重きを置いて主要懸案を議論したと見られる。

 金委員長は26日夕方、習近平主席と首脳会談をするなど、中国共産党指導部に会ったことが分かった。中国のある著名な国際関係専門家は27日「金委員長は26日に北京に到着し、夕方には会談および宴会に参加し、釣魚台(国賓宿舎)18号室に泊まり、午後に帰国する」と伝えた。金委員長は、非核化や平和体制など南北、朝米首脳会談の議題と関連して習主席などと意見を調整したという。

 金委員長は25日夜、専用列車で北朝鮮と中国の境界隣接地域である新義州(シンウィジュ)と中国遼寧省の丹東(タンドン)駅を通過して中国を訪問した。専用列車が北京駅に到着する姿と、訪中団一行が黒塗りの乗用車10台余りに乗り込み、オートバイの護衛を受けながら北京市内を移動する光景は、一部の日本の放送メディアと社会関係網サービス(SNS)を通じて公開された。金委員長が留まった釣魚台18号室は、父親の金正日(キム・ジョンイル)総書記が北京訪問の際に泊まった所だ。

 金委員長が夫人の李雪主(リ・ソルジュ)氏、妹の金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長と共に同行したという観測もある。車列が27日、北京の大学と情報技術(IT)企業の密集地域である中関村と観光地の天壇公園で目撃され、台湾の「東森」放送は、金委員長は中関村を、李雪主氏と金副部長は天壇公園をそれぞれ訪問したと伝えた。金委員長はこの日午後3時(現地時間)頃、北京での日程を終え専用列車に搭乗し第3の場所に移動した。

北朝鮮の最高位級要人が乗ったと見られる車両が27日(現地時間)、北京の中心道路を走っている。外信は北朝鮮の最高位級使節団を乗せたと推定される中国訪問列車がこの日午後に北京駅を出発したと伝えた。朝中両国は北朝鮮の最高位級による訪中を確認しておらず、搭乗者が誰なのかは明らかにしていない=ロイター/聯合ニュース

 金委員長がまっすぐ帰国したか否かは確認されていない。韓国の情報当局は、専用列車が朝中の境界を通過した時から動きを追跡・分析してきた。

 金委員長の電撃訪中は、北朝鮮の核・ミサイル試験と中国の制裁で最悪の状態に陥った両国関係が急速に復元される信号だ。だが、突然の“変数”ではなく、金委員長が南北、朝米首脳会談を提案する時には朝中関係の復元まで念頭に置いて計画したことと分析されている。

 キム・ヨンチョル仁済大教授は「伝統的に北朝鮮は交渉力を高めるための豊富な経験を有している。そうした次元で朝米関係のためにも朝中関係を解いておくことが意味が大きい」として「北朝鮮の(過去の)外交に注目する必要がある。重要なことは、北朝鮮が一方には偏らないということ」と話した。今回の訪中が、朝米首脳会談を控えて対米交渉力を高める結果を持たらすだろうが、対北朝鮮強硬派であるジョン・ボルトン米大統領国家安保補佐官の指名など最近の米国側の動きに対応して突然に推進したことではないとの解釈だ。

北京/キム・ウェヒョン特派員、キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/837951.html韓国語原文入力:2018-03-27 20:26
訳J.S

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