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「口論」で米国と一騎打ちする中国

登録:2018-02-05 10:11 修正:2018-02-05 18:09
ティラーソン長官の「中国は中南米略奪者」発言に 
新華社通信など論評で「米国の略奪史」取り上げる 
中国とロシアが競争者というトランプ政権に 
「冷戦的思考捨てよ」真っ向から対応
昨年11月9日、中国北京人民大会堂の前にドナルド・トランプ米大統領の初めての国賓訪問を歓迎する星条旗がかかっている=北京/AP聯合ニュース

 米国に向けた中国の”反撃”が尋常でない。ドナルド・トランプ行政府の“競争者”という規定に、対応に苦しむ中国の言葉も激しさを増している。

 官営「新華社通信」は3日「誰が中南米の略奪者なのか」という題の論評で、レックス・ティラーソン米国務長官が中国を「略奪者」と呼んだことに強く反発した。ティラーソン長官は1日からメキシコ・アルゼンチン・ペルー・コロンビア・ジャマイカを歴訪するに先立ち、テキサス大学で行った演説で「今日、中国は中南米に足場を作っている」、「潜在的な略奪者に対抗し、主権を守るために強い機関と信じられる政府が必要だ」と話した。

 新華社通信は「歴史は最高の教科書」として、米国が19世紀に戦争を通じてメキシコの領土だったテキサス・カリフォルニア・アリゾナを編入し、スペインとの戦争で勝った後、キューバからグアンタナモを永久に租借して返さなかったと指摘した。また、1903年のパナマ独立を支持したという理由で得た運河使用権を1999年になって返したと批判した。これと共にトランプ行政府が北米自由貿易協定(NAFTA)脱退を脅かし、メキシコとの国境の壁の設置を推進する一方、ベネズエラに制裁を加えながら軍事的脅威まで行なったと指摘した。

 同じ日「環球時報」の社説も「トランプ行政府の移民政策は中南米諸国を最も軽視し、ハイチとエルサルバドルを“乞食国家”と称した」と非難し、「習近平主席は2013年の就任以来、三回も南米を訪問したが、トランプ大統領はまだ訪問していない」とした。この二つのメディアは、米国こそ“中南米略奪史”の主人公だと主張しているわけだ。

 中国のメディアの反撃は、米国が中国とロシアを「競争者」と規定し、対決的レトリックを強化することに対する反応と言える。ティラーソン長官は今回の演説で「中南米は自国の利益だけを追求する新帝国主義的な権力を必要としない」とし、「中国の国家主導の開発は時代遅れであり、こっちの半球(西半球)の未来である必要はない」と述べた。そして、「米国は明確に正反対の位置に立っている」と主張した。「我々はならず者国家とテロ集団、中国やロシアのように、我々の利益と経済、価値に挑戦する者と直面している」と述べたトランプ大統領の先月30日の一般教書演説と軌を一にする発言だ。

 中国政府も真っ向から対応している。中国外交部は「国際規則を勝手に適用させ、内政干渉を繰り返し、さらには武力で脅かしているのは誰なのかを、世界各国はよく知っている」と主張した。最近、マイク・ポンペオの中央情報局(CIA)長官が'「中国が米国の情報を奪う」と批判したことに対し、華春瑩外交部報道官は「ここ数年間公開された情報によると、一体他の国を盗聴して情報を盗んだのはどの国なのか? 誰があの手この手で自国の影響力を維持しているのか?」と反論した。4日、中国国防部は二日前に出た米国の「核態勢の見直し(NPR: Nuclear Posture Review)」が中国などに対する懸念を強調し、核武装を強化するという内容を盛り込んでいることについて、「冷戦的思考」を捨てよと要求した。「冷戦的思考」は、米国が中国を戦略的競争者と規定してから、中国がよく用いる表現だ。

 一部では言語的な威嚇が経済と軍事などの実際の対決につながる可能性を憂慮している。中国側ではトランプ発「貿易戦争」が雰囲気を悪化させると見ている。習主席が掲げる「新型大国関係」は、消極的外交路線から脱し、経済力を基に「奮発有為」(発奮して成果を果たす)するという意味も込められており、中国がムチを打たれるばかりだった時代は終わったという分析も出ている。

 一方、中国の政策宣伝と広報の最前線に立っている国営の「中国中央テレビ」(CCTV)社長に慎海雄広東省宣伝部長(51)が任命されたと「鳳凰網」などが3日報道した。新華社通信出身の慎海雄は、習主席が浙江省と上海市に在職していた際、同じ場所で勤務していた習主席系系列の人物に分類される。

北京/キム・ウェヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/830776.html韓国語原文入力:2018-02-04 21:57
訳M.C

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