本文に移動

ノーベル平和賞授賞式で被爆者が演説「核兵器は必要悪でなく絶対悪」

登録:2017-12-11 21:00 修正:2017-12-12 07:55
13歳の時、広島で被爆したサーロー節子さん 
「4歳のおい、からだが溶けて膨れた」 
長崎出身のノーベル文学賞受賞者も原爆に言及
10日、ノルウェーのオスロで開かれたノーベル平和賞授賞式で、国際市民団体の連合体である「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務総長(右)とサーロー節子さん(中)が賞状を掲げて見せている=オスロ/AP聯合ニュース

 「私たち被爆者は、核兵器の禁止を72年間待ち望んできた。核兵器の終末を始めよう」

 被爆者としては初めてノーベル平和賞授賞式の舞台に立ったサーロー節子さん(85)はこのように訴えた。今年のノーベル平和賞は、7月に国連で122カ国が賛成票を投じた核兵器禁止条約締結のために努力した国際市民団体の連合体である「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が受賞した。

 この団体とともに活動してきたサーロー氏は10日、ノルウェー・オスロで開かれた授賞式で、13歳の時に日本軍に動員され暗号解読の助手をしていて被爆した経験を話した。彼女は「4歳だったおいは、からだが溶けて膨れて形が分からなくなってしまった」として「(核兵器は)必要悪ではなく絶対悪」と話した。さらに「核武装国家といわゆる核の傘の下にいる国々に言いたい。あなた方は人類を危険に陥れる暴力システムの内部を構成している」と断じた。核兵器禁止条約には、米国を含む核武装国家、米国の核の傘の下にいる日本や韓国は署名しなかった。

 サーロー氏は前日の記者会見で「北朝鮮と米国の指導者は、核兵器を絶対に使わずに(問題解決のために)交渉に臨んでほしい。外交が問題解決の唯一の方法」と話した。「核兵器廃絶国際キャンペーン」のベアトリス・フィン事務総長は10日の授賞式で「一瞬の恐怖や不注意、誤った行動が都市をまるごと破壊し、数百万人を殺しかねない」と警告した。BBCは、この発言が北朝鮮と米国の間の緊張を念頭に置いたものと指摘した。

 同じ日、スウェーデンのストックホルムでノーベル文学賞を受賞した日系英国人作家のカズオ・イシグロ氏(63)も、原爆に言及した。1954年に長崎で生まれた彼は、授賞式の後の晩餐会で「5歳の時に母親からノーベル賞という言葉を初めて聞いた。平和を広げるために作ったのだと説明された」として「原爆が落ちて(長崎が)壊滅的破壊にあってから14年後のことだった。幼かったが、平和が何か大切なことであるということが直感的に分かった」と話した。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/822989.html韓国語原文入力:2017-12-11 17:02
訳J.S

関連記事