韓国人や中国人に対する嫌悪発言を含む「ヘイトスピーチ」に対して、日本人の間で否定的な意見が多かったが、「表現の自由」や「される側にも問題がある」という擁護論も少なくないことが分かった。
日本の内閣府が全国の18歳以上の男女3000人(応答率58.6%)を対象に、民族差別的な発言を繰り返すヘイトスピーチ・デモ、街頭集会などについて知っているか質問したところ、57.4%が「知っている」と答えたと2日明らかにした。「知らない」と答えた人は42.6%だった。この調査は、内閣府が定期的に実施してきた「人権擁護に関する世論調査」の一部として実施され、ヘイトスピーチが調査対象に含まれたのは今回が初めてだ。
ヘイトスピーチについて知っていると答えた人を対象に意見を聞いた結果(複数応答可)、「日本の印象が悪くなる」という評価が47.4%で最も多かった。次いで「不快で許せない」が45.5%で後に続いた。
だが「表現の自由の範囲内だ」という応答も17%を占め、「自分とは関係ない」が12.1%、「ヘイトスピーチをされる側にも問題がある」という返事も10.6%あり、ヘイトスピーチを容認する意見も決して少なくなかった。
法務省人権擁護推進室は「悪質な言動をなくすための啓蒙活動に努力を傾ける」と明らかにした。
ヘイトスピーチには、韓国人に対する蔑視発言にとどまらず「朝鮮人を殺せ」などの極端な威嚇も含まれている。在日同胞が多く暮らす大阪の鶴橋や、神奈川県の川崎、韓国人が多く集まる東京の新大久保などで頻繁に行われた。ヘイトスピーチが猛威を振るうと日本政府は昨年ヘイトスピーチ防止法を制定したが、処罰条項がない理念法であるという限界がある。最近、川崎市はヘイトスピーチ集会を公共の場所で行うと見られる場合に許可できないことがあるという指針を作った。これはヘイトスピーチを事前に防げる日本初の措置だが、まだヘイトスピーチを積極的に防ぐ法規は不十分だ。最近開かれた国連人権理事会の「普遍的定例人権検討」(UPR)でも多くの国連加盟国が日本に対しヘイトスピーチ防止対策の確立を勧告した。