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日本衆議院で改憲勢力80%…「戦争できる国」への歴史的ターニングポイントになるか

登録:2017-10-24 03:16 修正:2017-10-25 11:54
安倍首相、改憲について「議論を深め合意形成に努める」 
選挙前、核心公約に掲げる…来年改憲案発議が有力に 
低い内閣支持率など、まだ障害物は残っている
日本の安倍晋三首相が今月23日、東京の自民党党本部で選挙勝利の感想を述べる記者会見を行っている=東京/AP聯合ニュース

 日本衆議院総選挙で改憲勢力が全体の80%を超える議席を獲得した。今回の選挙結果は、日本が第二次世界大戦以降維持してきた平和国家体制から「戦争できる国」へと変身する歴史的なターニングポイントになる可能性もある。

 23日開票の結果、自民・公明与党は衆議院の憲法改正発議の定足数310議席(議席の3分の2)を超える313議席を獲得した。改憲に肯定的な「希望の党」と日本維新の会まで合わせれば374席で、全体465議席のうち改憲派が80%以上を占める。安倍政権は選挙前にも与党だけで改憲案発議が可能な3分の2以上を維持していたが、私学スキャンダルで危機に陥った安倍首相の指導力を今回の選挙を通じて回復したことで、改憲に向けた動力を復活させた。

 安倍首相は同日の記者会見で「党内で議論を深め、(国会に設置された)憲法審査会に党の案を提出したい。与野党を問わず幅広く合意を形成するために努力したい」として、改憲への意欲を示した。自民党は今回の選挙で初めて党の主な公約に改憲を明記した。自民党は同日、公明党と交換した連立維持の合意文書に、改憲と関連して「国民的議論を深めて合意形成に努力する」という文言を新たに盛り込んだ。共同通信などは、自民党の改憲発議が現実味を帯びるようになったと報じた。

日本の衆議院選挙結果//ハンギョレ新聞社

 日本は第二次世界大戦後、憲法第9条に戦争の放棄を明記し、「平和国家」体制を基本方向として定めた。1954年、日本政府が実際には軍隊と変わらない自衛隊を創設したが、日本の保守本流も「専守防衛」と平和主義を否定しなかった。しかし、冷戦の解体と共に中国が浮上する中、日本政治の保守化はますます進み、2012年末に「戦後体制からの脱却」を掲げて発足した安倍政権からこのような流れはさらに明確になった。安倍政権は2015年、集団的自衛権の行使を可能にする安保法制の議決を強行し、戦後の平和国家体制を根本から揺るがした。安倍首相は今月5月に「2020年まで平和憲法第9条に自衛隊の存在を明示する改憲案を施行したい」と公言したが、このような改憲案が実現されれば、日本は理念的にも現実的にも戦後の平和体制から脱却することになり、北東アジア全体の緊張も高まると見られる。北朝鮮の脅威を理由に、軍備強化に拍車をかけるのも、このような流れの一環だ。

 平和主義を揺るがす安倍政権が長期執権する理由について、文芸評論家である加藤典洋氏は朝日新聞に、「歴史的な視点からすると、近代日本では『国難』を機に排外思想の高まりが80年周期で繰り返されてきた。最初はペリー来航を契機に盛り上がった1850年代の『尊皇攘夷』思想で、次が1930年代の『皇国思想』、そして2010年代の嫌中嫌韓のヘイトスピーチだ。安倍政権がこのような排外的な空気に乗っていることは否定できない」と話した。

 安倍首相は選挙日の22日、傲慢という批判を意識したかのように、謙遜な口調で「2020年の憲法改正提案はスケジュールありきではない」としたが、2020年の改憲の目標自体は撤回しなかった。安倍政権は改憲案を来年の国会で発議する確率が高いというのが大方の予想だ。2019年には参議院選挙と地方議会および自治体長選挙があり、改憲発議が難しいからだ。

 改憲案の国民投票まではまだ数段階が残っている。まず、連立与党の公明党の協力を得なければならないが、創価学会が母体である公明党は「平和の党」を自任する政党で、憲法第9条に手を加えることに消極的だ。さらに、内閣支持率を引き上げるのが最も大きな壁となる。選挙で大勝を収めたものの、代案不在と野党分裂に助けられており、安倍政権の支持率が高いわけではなかったからだ。NHKの今月の調査では、内閣を支持しないという回答が44%で、支持するという回答(39%)を上回っており、先月の内閣支持率44%(非支持率36%)よりもさらに低下した。

東京/チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/815649.html 韓国語原文入力:2017-10-23 21:47
訳H.J(1917字)

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