「緊張高揚を止めろ!」「核兵器を廃棄せよ!」
土曜日の18日、ベルリンのブランデンブルク門の前のパリ広場とその隣の米国大使館前。寒い天気の中、デモの準備が忙しい。グリーンピースのメンバーのヨストさん(46)は、核廃棄物管理要員が着る黄色い防護服姿だ。黄色の偽物の核廃棄物の缶を太鼓のように叩きながら、彼はスローガンを缶に貼りつけておいた。「核兵器の廃棄、核発電所の廃棄、環境汚染はもうやめよう」「私たちに必要なのは?」「勇気!」などのスローガンが書かれている。
同日のデモは今年ノーベル平和賞を受賞した国際核廃絶運動団体であるICAN(アイキャン)や、ドイツ平和財団(DFG VK)、国際反核法律家協会(IALANA)、グリーンピースなどの環境保護・平和団体が共に準備した。ICANは、米国と北朝鮮の戦争の危険を悟らせるパフォーマンスを行った。米国大使館から1キロメートルほど離れた北朝鮮大使館まで人間の鎖をつないだ。約700人のデモ隊が赤いビニールひもを握って両腕を広げ、米国大使館から北朝鮮大使館に向かう道に並んだ。その間では、トランプの仮面をかぶった人たちが引っぱる米国のミサイルの模型と、金正恩(キム・ジョンウン)の仮面をかぶった一行が引っぱる北朝鮮ミサイルの模型が米国大使館と北朝鮮大使館の中間で会い、轟音と共に地球の模型にぶつかるパフォーマンスが繰り広げられた。
人間の鎖の行列の間でせっせとに印刷物を配っていたICAN会員のユリアンさん(27・大学生)は「北朝鮮と米国の対立が深刻であるにもかかわらず、人々が忘れて暮らしているのが問題だ。戦争の危険に鈍感な人たちに警戒心を呼び起こすために来た」と話した。17カ月の娘をベビーカーに乗せて夫と来たユリアさん(29・会社員)は「20年後、子どもに『お母さんはこうなることを知りながらその時何をしていたの?』と聞かれるかもしれないと思い、ここに来た。ナチス時代にも人々が真実を知りながらも恐れて沈黙した。私ひとりの力で変化を起こすことはできなくても、私の良心には堂々としていたい」と言い、目を潤ませた。
韓国の緑の党欧州地区の党員たち、コリア協議会会員など韓国同胞約20人もデモに参加した。イ・ヒジョンさん(53・自由大学研究員)は「今の状況では何でもしなければならない。1%の可能性でもあるならば、やってみるべきだ。全ての人が幸せになる権利があるこの世界で、戦争はなくさねばならない」と話した。
デモの終盤には、ブランデンブルク門の前で演劇が繰り広げられた。アンゲラ・メルケル首相の仮面をかぶった人物とアントニオ・グテーレス国連事務総長の仮面をかぶった人物の前で、デモ参加者たちは「メルケル首相、核兵器禁止条約に署名してください」と書いたふきだしを掲げた。メルケル首相とグテーレス事務総長の仮面をかぶった人々は核兵器禁止条約に署名し、核ミサイルを壊した。
ICANの活動家であるマルティン・ヒンリヒスさんは「朝鮮半島の状況は、核兵器の所有とこれを通じた脅威という概念がこれ以上安全を保障せず、むしろ逆効果を生むということを示している。核兵器は禁止されなければならない」と話した。
現在、ドイツ政府は国連核兵器禁止条約に署名をしていない状態だ。キリスト教民主連合、緑の党、自民党が参加するジャマイカ連立政権(各党の象徴索引検定、緑色、黄色を加えると、ジャマイカ国旗と同じであるため付けられた用語)に向けた交渉が難航している。キリスト教民主連合と自民党は、核兵器禁止条約に署名しないという立場を取っている。ICANは、ドイツ人の71%が核兵器禁止条約署名に賛成していると述べた。