米ホワイトハウスは、文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ大統領の30日(現地時間)の首脳会談を控え、北朝鮮の核およびTHAAD(高高度防衛ミサイル)問題と関連した両国間の対立の懸念については確実に一線を画す一方、トランプ大統領の主な関心事である貿易問題については米国の要求を強く貫徹させることを予告した。
ホワイトハウスの高位関係者は28日の首脳会談の事前ブリーフィングで、対北朝鮮問題と関連し文在寅政権が前政府とは別の政党が政権を執った政府だとし、「(対北朝鮮アプローチに)若干の違いはあるだろう」とし、「しかしそれは全く問題にならないと思っている」と明らかにした。
同関係者は特に「トランプ大統領もそれが問題だと思っていない」とし、「北朝鮮の脅威に対する(韓米の)共同アプローチにおいては、さらには何か有利な点もあり得る」と強調した。同関係者は「有利な点」を具体的に明らかにしていないが、韓国は北朝鮮と対話を誘導する「良い警察」、米国は制裁と圧迫をする「悪い警察」という形に役割分担することもあり得るのではないかという趣旨の発言と見ることもできる。文在寅政権とトランプ政権の北朝鮮核問題の解決策と関連し、異見が露呈するのではないかという一部の観測を一蹴したものだ。
同関係者は「韓米両政府は正確に同じ目標を共有している。まさに北朝鮮の核およびミサイル開発の完全な解体だ」とし、また「文大統領は北朝鮮と究極的に交渉を追求すると言及したが、それはトランプ大統領がしてきた話ととても似ている」と述べ、韓米の立場に変わりがないことを強調した。
ただ、彼は「国連安全保障理事会と米国の独自制裁の形でまだ北朝鮮をもっと圧迫できるだろう」とし、「中国も今よりもっと多くの役割をすることを望む」と明らかにし、短期的に対北朝鮮制裁と圧迫の基調を続ける考えを明らかにした。
ホワイトハウスのこのような基調は、文大統領が24日「2017世界テコンドー選手権大会開幕式」で提案した平昌(ピョンチャン)冬季五輪の南北単一チーム構成についてもトランプ大統領が興味を持つだろうと述べたことからも明らかだ。北朝鮮の核・ミサイル開発に入る直接的な資金源と関連した事案でなければ、南北間の交流について韓国政府の立場を尊重するという意味とみられる。
高高度防衛ミサイル(THAAD)問題と関連して、ホワイトハウスはこれ以上は争点化しないという意思を示した。同関係者は「THAADに関しては、すでに非常に多く扱われた」とし、「おそらく両者の関係での日常的な問題の中の一つとして取り上げられるだろう」と話した。
北朝鮮の核およびTHAAD問題とは違い、ホワイトハウスは貿易問題については公開的に韓国の譲歩を取り付けるという確固たる意思を明らかにした。韓米自由貿易協定(FTA)再交渉問題と関連して、同関係者は「トランプ大統領は貿易問題を韓国と率直に議論する必要がある問題だと公開的に明確にしてきた」とし、「トランプ大統領の見方は、貿易関係のある側面が均衡状態になっていないということ」だと話した。特に同関係者は、米国産自動車の韓国輸出問題と韓国を迂回して米国に輸入される中国産の鉄鋼問題を集中的に提起するだろうと話した。
トランプ大統領は4月27日のロイター通信のインタビューで、韓米自由貿易協定の再交渉もしくは終了を言及するなど、韓国との貿易で損をしているという認識を何度も明らかにした。