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“経済大国”日本のエンゲル係数が29年ぶりの高水準になった理由は

登録:2017-03-30 23:41 修正:2017-03-31 06:17
社会構造の変化による調理済食品消費の増加 
円安による食料品価格の上昇などが原因
東京都中央区のあるスーパーマーケットに陳列された調理食品。調理食品消費の増加は日本のエンゲル係数上昇の原因の一つに挙げられる=東京/チョ・ギウォン記者//ハンギョレ新聞社

 日本人のエンゲル係数が29年ぶりの高水準を記録した。エンゲル係数は家計消費支出のうち、食料品の消費支出が占める割合を計算したもので、一般的には所得水準が低いほど高くなる傾向がある。世界3位の経済大国である日本でエンゲル係数が逆に高くなる理由は何だろうか。

 朝日新聞は30日、日本総務省の資料を引用し、昨年の日本の家計(2人家族以上対象)のエンゲル係数は25.8%で、2015年に比べて0.8%上昇したと報道した。1988年以後の最高値である。日本のエンゲル係数は、経済成長と共に下落傾向を見せていたが、2005年から上昇に逆転しており、最近は上昇幅が大きくなっている。

 エンゲル係数が高まった原因の一つは、日本の人口高齢化や共働き世帯の増加により、調理食品を買って食べる人が増えている点が挙げられる。東京江戸川区に住む74歳の女性は、夫を看病するために惣菜類を買って食べる場合が多いと朝日新聞に話した。この女性は貯金を切り崩しながら生活していて余裕はあまりないが、「夫の看護で疲れたときはおかずを買って食べる」と話した。家計の食品消費のうち調理食品が占める割合は、昨年は約3.4%で、30年前の1.8%に比べて倍近く増えた。

 エンゲル係数上昇の他の原因は、食品価格の上昇と支出の減少だ。日本経済はデフレ状態だが、円安により輸入品の値段が上がり、輸入品の割合が高い食品価格は上昇傾向を見せた。日本人が未来に対する不安のために貯蓄を増やし消費そのものを減らした点も、エンゲル係数の上昇に影響を与えた。食料品は生存と直結するため、支出を減らすには限界があるためだ。

 日本の総務省が2014年から2016年までのエンゲル係数の上昇分1.8%ポイントを分析したところ、0.9%ポイントは食料品価格の上昇、0.7%ポイントは消費そのものの減少、0.2%ポイントは調理食品消費の増加よるものとみられると説明した。

東京/チョ・ギウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/788643.html 韓国語原文入力:2017-03-30 16:49
訳M.C(1082字)

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