米国政府が、THAAD(高高度防衛ミサイル)配備に対する中国の対韓国報復処置が可視化していることと関連し、「不合理で不適切」という従来の立場を再確認した後、THAAD配備を撤回しないことを明らかにした。
米国務省報道官室関係者は2日(現地時間)、ハンギョレの論評要請に「THAADは明白かつ無謀で、違法的な北朝鮮の軍事的脅威に対応するために取られた、慎重かつ制限的な自衛的防衛措置」だとし、「(中国が)自衛的な防御処置を放棄するように韓国に圧力を加えたり、批判するのは不合理、不適切だ」と明らかにした。同関係者は「韓米同盟のTHAAD配備決定について、中国が韓国の民間企業を対象に報復措置を取っているという報道を綿密に注視し、懸念している」と付け加えた。
米国がこのように強く中国を批判したのは異例のことだ。米国は公式反応を示したほか、外交チャンネルを通じて中国に抗議しているという。だが、米国のこのような対応が“レトリック”にとどまるのか、それとも実際の行動につながるかは不透明だ。
同関係者はまた、「米国は同盟の防衛に対する徹底した公約を再確認して、漸増する北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対応するために、包括的な一連の同盟の能力をを発展させていく」と強調した。これはTHAADの配備が中国を狙ったものではなく、「北朝鮮の脅威」のためであると強調することで、THAAD配備の撤回する意向がないことを改めて確認したものと見られる。
しかし、THAAD配備について「両国の共同決定」という点を浮き彫りにしてきた米国政府にしては、米国を狙った中国の“人質外交”のような報復措置に対し、消極的すぎる対応を取っているとの指摘もある。一部では、早ければ今年の4~5月に開かれると予想されるドナルド・トランプ大統領と中国の習近平主席の首脳会談の際に、米中がTHAADに関連して妥協を図るとの見通しが示されている。