北朝鮮の核・ミサイル開発に対する国際社会の措置である国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議案(2270号)と関連し、中国が同決議案の履行報告書でも高高度防衛ミサイル(THAAD<サード>)の韓国配備に反対する意見を表明したことが明らかになった。
21日(現地時間)、国連ホームページに掲載された履行報告書の最後の部分で、中国は「朝鮮半島の緊張をエスカレートさせる行動を取らないことを求める」としたうえで、「中国は朝鮮半島へのTHAAD配備に反対する」と明らかにした。同報告書は先月20日に提出されたという。
一見すると、異なる問題に見える対北朝鮮制裁とTHAAD配備を中国が連携させているのは、最終目標は制裁自体ではなく、朝鮮半島における平和定着であるべきという中国の立場を反映している。中国は、韓国へのTHAAD配備が事実上、米国のミサイル防衛システム(MD)の延長線上にあり、北東アジア戦略の均衡を破壊し、地域安保に不安をもたらすと警告してきた。今年3月の決議案採択時も、中国は韓国へのTHAAD配備に対する反対の立場を表明した。
中国は安保理決議案の履行報告書でも、非核化や平和・安定の維持、対話・交渉を通じた問題解決など、いわゆる「朝鮮半島3原則」を重ねて強調し、非核化と停戦体制の切り替えを同時に進めていく方針を再確認した。また、安保理決議2270号が制裁措置だけでなく、6カ国協議の再開に対する呼びかけと9・19共同声明の履行に対する支持などを盛り込んでいることを指摘し、「決議案は全面的かつ完全に履行されるべきだ」と主張した。同報告書は、中国が中央政府関連部門と各省の地方政府などの措置を通じて決議案を履行したという事実を説明している。
中国は、韓米のTHAAD配備の決定で中国が対北朝鮮制裁を緩めるかもしれないとの韓国の一部の懸念を意識しているものとみられる。環球時報は22日付の社説で「中国政府はそれ(対北朝鮮制裁の緩和)と関連し、いかなるメッセージも送ったことがない。韓国はどうして先走ってやきもきしているのか?」とし、「ソウルは自分が中国の安保利益を損ねており、制裁と関連してようやく形成された共通認識と論理を混乱させていることを自覚しているのか」と指摘した。また、「中国は北朝鮮核問題の解決において責任を全うしたのかを反省しなければならない」という韓国の一部メデイアの論評など関連報道に対し、「中国はすでに(北)朝鮮との関係が冷え込むという代償を払っており、朝鮮の核問題において外交的損失がもっとも大きな国」と主張した。
韓国語原文入力:2016-07-22 15:46