中国が10年ぶりに日本領海に軍艦を通過させた後、「航海の自由」を主張した。これまで米国と日本が、南シナ海で中国が行っている無人島埋め立てと要塞化の中断を求める際に提示したものと同じ論理を掲げており、今後の日本の対応が注目される。
中国海軍の情報収集艦は15日午前3時30分頃から、海軍の情報収集艦を1時間30分にわたり鹿児島県口永良部島と屋久島から12カイリ以内の海域を通過し、西太平洋に向かって移動した。日本のメディアは「中国が自国の軍艦を日本領海に進入させたのは、2004年11月以来12年ぶり」と敏感に反応しており、岸田文雄・外相は「状況をエスカレートさせている最近の中国軍の動きを懸念している」と抗議した。
興味深いのは中国政府の反応だった。中国国防部は15日午後、談話を出し、「中国軍艦の(日本領海)通過は、国連海洋法条約が規定する航海の自由の原則に合致する」と主張した。国連海洋法は、沿岸国の安全保障に害を及ぼさない無害通航権を保障している。
中国がこの日、日本の領海に軍艦を通過させたのは、10日に始まった米国、インド、日本の3カ国連合訓練「マラバール訓練」への不満を示すためのものと見られる。この日、日本の領海を通過した中国の情報収集艦は、この海域での演習中だったインド軍の艦艇の後方を追跡するような移動経路を示した。
これとは別に、中国軍による情報収集として、今回の訓練に参加した米空母「ジョン・ステニス」と10キロメートル程度の距離を維持したまま追いかけ、空母に艦載機が離着艦する様子をなどを見守った。
これまで米国は、中国が自国の領土と主張している南シナ海の無人島の領有権を認めないという意味で、その島の12カイリ以内に自国のイージス艦を通過させる「航海の自由」作戦を3回に渡って実施している。日本もこれに合わせて、中国と領有権を争っているベトナムやフィリピンなどに、海上自衛隊の主要艦艇を寄港させ、「航海の自由」を強調してきた。NHK放送は、政府内で「南シナ海を巡る問題に日本が関与しないよう、けん制しているのではないか」、「中国の意図を慎重に見極める必要がある」といった反応が出ていると報じた。
韓国語原文入力: 2016-06-16 14:15