本文に移動

日本防衛省がパトリオット位置公開 集団的自衛権の正当化が狙いか

登録:2016-02-03 00:30 修正:2016-02-03 08:48
参院選挙を控え北朝鮮ミサイルの不安心理を活用
1987年以来の日米ミサイル防衛技術の共同研究によるSM3迎撃ミサイル(左)。2003年に日本が米国のミサイル防衛システムの購入を決定し、現在世界2位のミサイル防衛能力を構築したパトリオットミサイル(PAC3、右)は17基ある//ハンギョレ新聞社

 日本の防衛省がミサイル防衛(MD)体制の一軸を担う迎撃ミサイル、パトリオット(PAC)3の設置位置を公開した。 日本政府が東京周辺のパトリオットミサイルの設置場所を明らかにし、北朝鮮の核とミサイルに対する市民の不安を煽っている格好だ。

 中谷元・防衛相は2日、定例記者会見で北朝鮮のミサイルの脅威に備え「PAC3を東京の市ヶ谷駐屯地、朝霞、習志野などに配備している。北朝鮮が予告することなく、何らかの挑発活動に出る可能性は否定できない状況であり、いかなる事態にも対応できるよう、引き続き必要な対応に万全を期したい」と話した。 中谷防衛相はさらに「北朝鮮はこれまで、弾道ミサイルの発射日時や飛翔体の落下海域を、国際機関に通報しているわけではなく、ミサイル発射を実際に行うか否かも明らかにしていない。それらを踏まえると、防衛省としては破壊措置命令の有無やイージス艦の態勢などを含め、これ以上、わが方の手の内を明らかにしないのが適切だと考えている」と述べた。

 中谷防衛相の今回の発言は、北朝鮮のミサイルの脅威を強調しMDを媒介とした米日同盟の必要性を強調し、今夏の参議院選挙の最大争点である集団的自衛権行使など自衛隊の役割拡大を正当化しようとする策略と解釈される。 実際、防衛省は先月28日夜に市ヶ谷の防衛省庁舎内にパトリオット3の発射装置を積んだトラックが入ってくる様子などを公開し、NHK放送など日本のマスコミは不安感を訴える市民の反応を中継したことがある。

 これに比べ韓国では、パトリオットの配備位置を高度な軍事機密として取り扱っている。 韓国国防部は北朝鮮のミサイル発射兆候がある場合、ソウルと周辺地域に配備されたパトリオット2ミサイルの位置が公開されないようにしている。

 日本のMDは弾道ミサイルを高高度で迎撃するイージス艦のSM3と、地上の最終段階で迎撃するパトリオット3ミサイルで構成されている。 このうちパトリオット3ミサイルは東京や大阪など主要大都市周辺18カ所に配備されている。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/729037.html 韓国語原文入力:2016-02-02 19:53
訳J.S(1052字)

関連記事