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安保関連法案を力で押し切った安倍首相

登録:2015-07-17 00:08 修正:2015-07-17 07:40
安倍晋三日本首相(後列中央)と自民党議員が16日、東京の衆議院で行われた安保法案採決で集団的自衛権の行使を可能にする安保法案に賛成するとして立ち上がっている=東京/AFP連合ニュース

 「戦後70年間、歴代内閣と国会が積み上げてきた憲法解釈を、一内閣の独断で変更してしまったことは、大きな間違いです。安倍総理、あなたの罪はあまりに大きいのです」。16日午後1時、日本の衆議院本会議。 集団的自衛権の行使を可能にする安倍政権の安保法案に対する反対討論者として演壇に上がった岡田克也民主党代表の表情は無念な思いでこわばっていた。 彼は「安倍総理、総理は本当に採決するのでしょうか。いまからでも遅くはありません。再考すべきです」として15分にわたり反対討論を行った。

 この日、岡田代表の反対討論には2013年11月以後、日本政界の最大懸案に浮上した集団的自衛権の行使を巡る多様な争点が集約されていた。 岡田代表は「国民の8割が政府の説明は不十分と言い、半数以上が政府の安全保障関連法案は憲法違反あるいは反対と答えています。大多数の憲法学者、歴代内閣法制局長官経験者が違憲またはその疑いが強いと断じています。(このような状況での法案通過は)戦後日本民主主義にとって大きな汚点になります」と指摘した。 さらに、4月末の米国上下両院合同演説で安倍首相が「この夏までに法案を通過させる」と約束した点、11本の法案の制・改定案を一度に提出して110時間を超える国会議論がなされたと主張するが、1個の法案に対する審議時間は10時間に過ぎなかったことなどを逐一指摘した。 安倍首相はぎこちない笑いを浮かべて、隣に座った石破茂・地方再生相とコソコソと話していた。

自民・公明議員のみが起立し可決
民主など野党議員は抗議の意で退場
韓国・中国外交部は憂慮声明
安倍首相「国民の理解が深まるよう努力」
参議院も連立与党が過半数…通過予想

 その後の賛成討論では松本純議員(自民党)が北朝鮮の核とミサイル、中国の軍備増強と南シナ海進出などを例に挙げて「このような現実を前に日本の安保を明確にするには一刻もはやく安保態勢を整備しなければならない。 この法案が正しかったということは今後の歴史が証明するだろう」と主張した。

 賛否討論が終わると表決は速かに進行された。大島理森衆議院議長が「それでは採決に入る」と宣言し、民主党と維新の党、共産党など野党議員が抗議の意味で本会議場を退場した。 以後、自民・公明の議員が起立して速かに法案を通過させた。 同じ時刻、日本の市民たちは11号台風による風雨をおして国会周辺に集まり、法案の廃棄を要求する集会を継続した。

 日本の安保法案が衆議院で強行採決されたことに対して、韓国外交部は「韓半島安保、韓国の国益に影響を及ぼすことになる事項は、我が国の要請または同意がない限り容認できないということが我々の明確で一貫した立場」だとし、既存の立場を再確認した。 中国外交部報道官もこの日声明で「日本の軍事安保政策に重大な変化を将来する」と憂慮を明らかにした。

 法案が通過した後、安倍首相は首相官邸で取材陣に向かって「日本を取り巻く安保環境が厳しくなっている。日本人の生命を守り戦争を未然に防ぐために絶対に必要な法案だ。(今後、参議院での審議を通じて)国民の理解が深まるように努力する」と話した。 NHK放送などは、自民党・公明党で構成された連立与党が参議院でも過半数を占めているため、法案通過には大きな無理がないと予測している。 また、連立与党は参議院で60日以内に結論が出ない場合には、これを否決と見て再び衆議院に法案を持ってくる「60日ルール」を選択することもできる。その場合、連立与党が衆議院で3分の2の賛成で再可決すれば法案は確定する。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/700613.html 韓国語原文入力:2015-07-16 22:15
訳J.S(1743字)

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