日本の歴史学関連16の学術団体が、数多くの慰安婦の女性たちが「自分の意思に反して」動員されたことを「強制連行」として理解しなければならないと強調している共同声明を発表した。これは、慰安婦動員の過程の「強制性」と「強制連行」を区別し、日本政府の法的責任を否定しようとする安倍政権の動きに対し、真っ向から反論したものである。
歴史学研究会、日本歴史学協会など、日本の16の歴史学関連団体は25日午後、東京衆議院第2議員会館で記者会見を開き、「(慰安婦の)強制連行は、たんに強引に連れ去る事例に限定されるべきではなく、本人の意思に反した連行の事例をも含むものと理解されるべきである」と明らかにした。また、これらの団体は「朝日新聞による2014年8月(直接慰安婦を強制連行したと証言した「吉田証言」に関連する)の記事取り消しを契機として、日本軍『慰安婦』強制連行の事実が根拠を失ったかのような言動が、一部の政治家やメディアの間に見られる」とし「この記事の取り消しによって河野談話の根拠が崩れたことにはならない。強制連行された『慰安婦』の存在は、多くの史料と研究によって実証されてきた」と指摘した。
日本政府が政府や軍による強制連行がなかったとし、政府の法的責任はないと主張する論理を真っ向から反論したものだ。安倍1次内閣は2007年、「軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった」という内容を閣議決定した。
今回の声明には、歴史学研究会、日本史研究会など、日本の歴史学界を代表する4つの団体がすべて参加した。この日の記者会見で久保亨・歴史学研究会委員長は、「今回の声明には、1万3800人(重複者を含む)の歴史学者が参加した。声明は日本の歴史学者の一般的な意見と見ていい」と述べた。日本の歴史学者たちに広く網羅する学術団体がこのような見解を明らかにしたことで、「慰安婦問題の真相は歴史家たちの研究に任せなければならない」とし、政府の責任を否定してきた安倍政府は、苦しい立場に立たされることになった。
声明はまた、「近年の歴史研究は、動員過程の強制性のみならず、動員された動員された女性たちが、人権を蹂躙された性奴隷の状態に置かれていたことを明らかにしている...(慰安所運営過程で)売春契約があったとしても、その背後には(植民地支配という)不平等で不公正な構造が存在したのであり、かかる政治的・社会的背景を無視することは、問題の全体像から目を背けることに他ならない」と強調した。慰安婦問題の正しい理解と解決のためには、日本の右派の枝葉末端的な主張に埋没されず、当時の社会の全体的な構造を見なければならないという指摘だ。このような認識は6日、ジョン・ダワー米国マサチューセッツ工科大学教授など、各国の歴史学者187人が発表した声明でも言及されており、慰安婦問題を見る「世界の常識」でもある。
彼らは続いて「『慰安婦』問題に関し、事実から目をそらす無責任な態度を一部の政治家やメディアがとり続けれるならば、それは日本が人権を尊重しないことを国際的に発信するに等しい」と批判し、「当該政治家とメディアに対し、過去の加害の事実、およびその被害者と真摯に向き合うことを、あらためて求める」との声明を結んだ。
韓国語原文入力: 2015-05-25 21:01