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日本政府の介入で教科書の慰安婦関連記述縮小

登録:2015-04-08 01:32 修正:2015-04-08 10:27
 「学び舎」出版の教科書
 文部省検定1次不合格で内容縮小
 慰安婦お婆さんの絵や証言削除
文部科学省の指示で再修正された学び舎の「社会」(歴史分野)検定通過本の281ページに記述された従軍慰安婦問題  //ハンギョレ新聞社

 6日に公開された日本の中学校教科書検定の結果から確認されているのは、教科書の歴史記述に対する日本政府の影響力が以前に比べて非常に強くなったという点だ。その代表的な事例が日本の前·現職の歴史教師たちが立ち上げた「学び舎」教科書の慰安婦関連記述の対する修正命令だ。

 「学び舎」は、当初「社会」(歴史分野)教科書検定申請本で「人権侵害を問い直す」(278〜279ページ)という題名の部分全体を慰安婦問題の記述に割いた。その中には、中国海南省で日本軍によって慰安婦として強制連行されたリン・ヤジンお婆さんの証言、白いチョゴリを着た少女が連れていかれる様子を描いた韓国人慰安婦被害者キム・スンドクさんの絵『連れていかれる!』、東アジア地域の慰安所位置を表示した地図などが含まれていた。特にリンお婆さんの証言には、「19歳の時、稲刈りを手伝っていたら、突然日本兵が現れ、一緒にいた3人とともに軍の駐屯地に連行された。少しでも抵抗すると、殴る蹴るの暴行を受けた。たばこの火を押し付けられたこともあった。以来、島内各地の駐屯地で、多くの兵士を相手するように強要された」という衝撃的な内容が含まれていた。

 しかし、文部科学省はこれに対して1度不合格判定を下した。最終的に残された内容は、「1990年、韓国のキム・ハクスンさんの証言がきっかけとなって、日本政府は、戦時の女性に対する暴力と人権侵害について調査を行った。そして1993年に謝罪と反省の意を示す政府見解を発表した」という部分と「朝鮮半島で慰安婦の募集·移送などは全体的に本人の意思に反して行われた」という河野談話の中心内容だけである。日本政府は、それでも不安だったのか「強制連行を直接示す資料は発見されていない」との日本政府の立場をつけ加えるようにした。

 日本政府がこのように教科書の詳細な内容まで干渉できるようになったのは、昨年1月に改正された「教科書検定基準」に「歴史的事実を記述する時は、政府の統一された見解を反映させること」という規定が盛り込まれたからだ。これにより、日本政府は「日本軍と企業の行為で被害を受けた人々が賠償を求める動きが続いている」(教育出版)という記述については、「日本政府は国家間の賠償などの問題はすでに解決済みという立場をとってきている」との内容を加えさせた。1923年の関東大地震当時警察、軍隊、自警団によって殺害された朝鮮人の数が 「数千人に達した」(清水書院)と記述した部分については、「数千人もと伝えられるが通説ではない」という記述を付け加えるようにした。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-04-07 20:39

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/685905.html 訳H.J

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