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サード配備しようとする米国、阻もうとする中国

登録:2015-03-11 22:20 修正:2015-03-12 06:28
米国、北朝鮮ミサイル威嚇あれば配備公論化か
 中国「韓中戦略的パートナー関係のマジノ線破壊」
韓国型ミサイル防御(KMD)と高々度ミサイル防御システム(THAAD)。//ハンギョレ新聞社

 米国の高高度防衛ミサイル体系であるサード(THAAD)の朝鮮半島配備問題は、韓米間の懸案を超えて米中間の対立様相に広がっている。 米国は北朝鮮の核・ミサイル能力に備えるためにはサードの朝鮮半島配備が必要だと主張している反面、中国はサード配備が結局は中国を狙ったものとして反発している。

 米国は公式的には韓国政府とサードと関連した協議をしていないと明らかにしている。 しかし、すでに昨年サードの在韓米軍配備のための敷地調査まで終えた状態であることを考慮すると、内部的には検討を終えているものと観測される。 ただしサード配備が韓国内で敏感に受け止められているうえに、中国までが公開的に反対の意志を表明しているため、世論の推移を見守っている状態だ。 昨年中盤から米国政府高位当局者がサードの朝鮮半島配備を示唆し、世論が反発すればこれを取り消すことを繰り返しているのもこのような脈絡で理解される。

 ワシントンのシンクタンク消息筋は「北朝鮮が核実験や中長距離ミサイル発射試験など追加挑発を行い有利な世論が造成されれば、米国政府がサード配備を公論化する可能性が高い」と話した。 もちろん韓国政府が自ら乗り出してサード配備を要請するならば、米国としては最高のシナリオになる。

 一方、中国はサードの朝鮮半島配備を中国のミサイル力量を無力化しようとする試みとして受けとめている。 全世界の米軍基地のうちで北京と最も近いところにある烏山(オサン)米空軍基地に米国の戦略資産が配置される場合、軍事力のバランスに影響を及ぼすということだ。

 これに伴い、中国はサードの朝鮮半島配備に反対する態度を一貫して見せてきた。 昨年7月に訪韓した習近平(シー・ジンピン)中国国家主席は、朴槿恵(パク・クネ)大統領にサード配備に関し慎重に処理してくれとしながら否定的な見解を述べたと言う。 先月訪韓した常萬全(チャン・ワンチュエン) 中国国防長官は韓民求(ハン・ミング)韓国国防部長官に公式に朝鮮半島へのサード配置に憂慮を表明した経緯がある。

 時殷弘・中国人民大学教授は11日「米国と韓国はサードが北朝鮮を狙うものと言っているが、これは北東アジアの安保に少なからぬ変化をもたらすものであり、中国にも否定的な影響を及ぼす」と話した。 金哲・遼寧省社会科学院東北アジア研究所長は「米国の意図は中国を牽制しようとしていることが明らかだ」と話した。 彼らは韓国が慎重な選択をしなければならないと強調した。 時教授は「韓国としてはサードの射程距離と監視範囲を減らした“低水準”のサード導入問題を巡って米国と極めて複雑で長期的な駆け引きを行う可能性がある」と話した。 金所長は「サードを配置すれば韓-中関係が大きな悪影響を受けるだろう。 韓米同盟も重要だが、中国の反発を無視してもならない」と話した。 李開盛 上海社会科学院国際関係研究所研究員は9日、環球時報に「韓国が米国のサード配備要求を受け入れるならば、中韓戦略的パートナー関係のマジノ線を破壊することになる」と主張した。

ワシントン、北京/パク・ヒョン、ソン・ヨンチョル特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/681859.html 韓国語原文入力:2015/03/11 20:15
訳J.S(1467字)

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