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安倍談話から削除される「植民支配に対する痛切な反省」

登録:2015-01-25 20:39 修正:2015-01-26 07:46
NHKに出演し戦後70周年談話に「使わない」と言明
安倍晋三首相//ハンギョレ新聞社

「侵略」「謝罪」なども使わない…外交問題になる見込み

 安倍晋三首相が“安倍談話”に「植民支配に対する痛切な反省」という文言を入れない意思を明確にした。

 安倍首相は25日、NHK放送の朝の討論番組「日曜討論」に出演し、日本政府が戦後70年を迎えて発表する予定の安倍談話に村山談話(1995年)と小泉談話(2005年)のように「植民支配と侵略」「痛切な反省」「心からの謝罪」などの表現を引き継いで使うかという質問に対し、「70年を迎えるにあたって、今まで重ねてきた文言を使うかどうかではなく、安倍政権としてどう考えているのかという観点から談話を出したい」と話した。 彼は「以前の談話に含まれたキーワード(植民支配と侵略に対する反省)を使いはしないという意味か」という司会者の質問に対して「使わないだろう」と明らかにした。 安倍首相が新たな談話に「植民支配と侵略に対する反省」という文言を入れないと明確に言及したのは今回が初めてだ。

 村山富市元首相は終戦50周年の1995年に出した談話で「日本は、遠くない過去の一時期、国策を誤り(中略)植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に過ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします」と明らかにしたことがある。

 小泉純一郎元首相も敗戦60周年の2005年「国策を誤り」という一部言及は削除したものの村山談話の大きな枠組みは維持した。 これらの談話は以後、日本が韓国や中国など周辺国と友好を維持していく外交の出発点になった。

 安倍首相はこの日、「歴代の談話を全体として受け継いでいくという考えには変わりがない」として既存の談話内容を否認するわけではないと話した。 村山談話などを否定した場合に予想される外交上の波紋を最小化しながら、実際にはその意味を引き下げる談話を出す意図と見られる。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/675093.html 韓国語原文入力:2015/01/25 15:03
訳J.S(1067字)

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