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[ニュース分析】中日関係打開のため安倍政権が中国の要求を受け入れ

登録:2014-11-07 21:42 修正:2014-11-08 05:48
2年半ぶりに中日対話が急流へ

 

戦略的互恵関係継承を確認
歴史・領土問題の解決策に言及
中国「靖国参拝するな」と注文
日本側が戦術的譲歩を示唆

中国と日本の政府が7日午後に公開した関係改善に関連する4項目合意案は、両国間の葛藤を深めた根本問題を包括的に整理し、解決策を提示して両国関係の改善に突破口を開いた。 特に、安倍晋三首相が両国関係回復のために自身の政治的信念を一定部分放棄して、歴史と領土問題に対する中国側の要求を相当部分受け入れた点が目に引く。

 合意文書によれば、両国政府は4項目合意案の1項で「日中間の四つの基本文書の諸原則と精神を遵守し,日中の戦略的互恵関係を引き続き発展させていくことを確認した」と宣言した。 両国間の4個の基本文書とは、1972年9月周恩来国務院総理と田中角栄首相の間で結ばれた「中日共同声明」等、両国間で締結された重要な4文書を意味する。 現在は両国関係が悪化しているが、両国が競争関係ではなく“戦略的互恵関係”を両国関係回復の出発点として再び強調した。 実際、2006年10月に両国関係を戦略的互恵関係に格上げさせたのは安倍首相だった。

 続いて文書は2項と3項で、両国間の中心的な葛藤事案である歴史問題と領土問題に対する解決策に言及している。 2項で両国は「双方は歴史を直視し,未来に向かうという精神に従い,両国関係に影響する政治的困難を克服することで若干の認識の一致をみた」と宣言した。 中国が両国関係改善のために粘り強く要求してきた「安倍首相は靖国神社に今後参拝しないと約束」する問題に対して、日本がある程度の譲歩をしたことを意味する内容だ。

 安倍首相はこれまで中国がこうした要求をするたびに「それに対する言及は差し控える」と答えてきた。 萩生田光一 自民党総裁特別補佐は一歩進んで「11月の日中首脳会談前に安倍首相が靖国参拝をすることはないだろう」とも語っていた。今回の合意は、中国が憂慮する首脳会談後の神社参拝をしないことを日本が同意したものと解釈される。

 さらに、両国は領土問題について「尖閣諸島など東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識し,対話と協議を通じて情勢の悪化を防ぐとともに,危機管理メカニズムを構築し,不測の事態の発生を回避することで意見の一致をみた」と宣言した。 これは、尖閣諸島(中国名 釣魚島)を巡る領土紛争があることを認めよとの中国側の要求を日本が「異なる意見が存在することを認識する」という表現を通じて事実上受け入れたものと見られる。 同時に、中国側も日本と米国が要求してきた危機管理メカニズム協議を受け入れる折衝がなされたものと分析される。 最後に両国は「様々な多国間・二国間のチャンネルを活用して,政治・外交・安保対話を徐々に再開し,政治的相互信頼関係の構築に努める」と明らかにした。

 NHK放送は「政府が日中関係改善のために静かな対話を継続した結果、4項目の意見一致を見た」と分析した。しかし安倍政権が中国政府の要求を相当部分受け入れたことになり、安倍政権の支持基盤である保守右派階層の反発も予想される。

東京、北京/キル・ユンヒョン、ソン・ヨンチョル特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/663539.html 韓国語原文入力:2014/11/07 21:12
訳J.S(1536字)

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