福島第1原発周辺の浪江町は原発事故で全住民が33市町村にちりぢりに散った。 町(韓国の邑・面に相当)事務所が移転した二本松市には浪江町にあった既存6学校を統合し小学校1校を設立したが、4月から始まる新学期には入学希望者がまだ一人もいない。 全校生徒30人の内、6学年12人が今月中に卒業すれば生徒は18人に減る。 放射能を避けて子供たちを県外に大挙避難させたためだ。
原発事故で日本政府が避難指示を出した原発周辺地域の住民は約8万4000人だ。 現在、自治団体別に避難区域の再編作業が進行している。 <朝日新聞>が10日集計したものを見れば、避難民の内、5万4000人余りは居住地が居住制限区域と帰還困難区域に新たに指定され、今後も少なくとも4年間は家へ帰ることができない。 文部科学省が集計した最近の福島県の大気中放射線量は時間当り0.78マイクロシーボルトで東京(0.057)の13.6倍だ。
事故原発は事故初期に比べれば8000万分の1に量が減ったとは言え、今でも時間当り1000万ベクレル(セシウム基準)の放射性物質を大気中に吹き出している。 原子力発電所は原子炉内で溶けて流れた核燃料を全て収拾するまでは危険を脱したとは言えない状態だが、東京電力はまだ原子炉内の状態さえ詳細に把握できずにいる。 原子力発電所の地下から一日400tの地下水が染み込み汚染水に変わっている。 東京電力はろ過して放射能濃度を大幅に低くした低濃度汚染水を入れたタンクを積む場所が不足するや、膨大な量の汚染水を海に捨てようとしている。
食物汚染も依然として深刻だ。 宮城県近海で捕獲されたタラは、昨春 基準値を超過する放射性セシウムが検出され販売が禁止され、今年1月にセリが再開された。 原子力発電所事故以前の10㎏当たり1万円を超えたりもしたここのタラは、先月中旬かろうじて1600円で取り引きされた。 汚染を憂慮して人々が敬遠するためだ。
福島原子力発電所の北側に位置する宮城県では、昨年4月から今年1月までに検査した2万3645件の農産物の中で163件が放射能基準値を超えた。 福島県産は汚染が更に深刻で、検査した3万232件の内 3.9%にあたる1171件が放射能基準値を超え販売が禁止された。 福島産野菜の平均価格は2010年にkg当り350円だったが、今は250円を下回る水準まで下がった。 外部の人はこの一帯で生産された米を放射能数値が低くても依然として冷遇している。 京都大学の消費者調査の結果、東北・北関東地域で生産した米は敬遠するという回答が50%を超えた。
日本政府と福島県の地方自治体は、今も汚染された土地から表土をかき出し、汚染度を下げる製塩作業を行なっている。 2011年10月、最も早く製塩作業を始めた福島市大波地区のスダ・ヨシハル(62)氏の家では表土を除去し新しい土で覆った後に時間当り2.9マイクロシーボルトだった放射線量が0.7に下がり、今は0.4まで下がっている。 しかしスダ氏は「雪が溶ければ再び上がるかもしれない。 数値が低くなったからと放射能から解放されたわけではない」と語る。
東京/チョン・ナムグ特派員 jeje@hani.co.kr