本文に移動
全体  > 経済

三星(サムスン)が持ちだした‘標準特許’カード EU‘独占行為調査’ブーメラン

原文入力:2011/11/07 20:49(1892字)
ク。ボンクォン記者


アップルとの訴訟 新たな局面
‘不公正競争に悪用’判断されれば
売上額の10%まで罰金も
"未熟な対応で敗着" 指摘


←In the file photo September 2011,Lee Don-joo,vice president of Samsung electronics‘s mobile division shows a Galaxy Note at the IFA electronics trade show in Berlin. (Reuters)


敵をなぎ倒そうとして飛ばした鋭い槍が反対にブーメランとなり主人を攻撃している。米国アップルと激しい特許訴訟攻防を行っている三星電子の境遇がそうだ。

ヨーロッパ連合執行委員会は去る4日(現地時間) 「三星電子とアップルに移動通信標準特許に関する情報を各々要請した」として「調査着手が適切かを把握するための反独占調査の標準手続き」と明らかにした。アップルにも該当資料提供を要請したが参考用に過ぎず、核心対象は3世代通信標準特許を保有する三星電子だ。


今回のヨーロッパ連合の決定は三星電子-アップル間の攻防戦が新たな局面に本格的に入ったことを知らせる契機だ。三星電子では世界10ヶ国でアップルを相手に20件余を越える特許訴訟を行っている渦中に、ヨーロッパ連合の‘反独占法違反有無’調査というまた別の試験台に上がることになったためだ。特に本格的な反独占調査が始まる場合、三星電子はアップルとの訴訟とは別にヨーロッパ連合に競争妨害をしていないという事実を立証しなければならない。


この間、ヨーロッパ連合執行委員会は企業等の競争妨害行為を厳格に規制してきた。 北米とは異なりマイクロソフト(MS)とインテルなどに対し巨額の罰金をかけ付録付き販売などの慣行を直させ、現在はグーグルを相手に調査を行っている。 反独占法違反が確認されれば、グローバル売上額の10%までの罰金を払わせることもできる。


このように三星電子がヨーロッパ連合側から反独占調査対象にまで上がることになったことに対して、デザイン著作権侵害を主張するアップルを相手に標準特許に集中した三星電子の応戦戦略が‘判断ミス’だったという指摘が出ている。ブログ(FOSS Patents)を通じて調査着手事実を初めて知らせたドイツの特許専門家フロリアン・ミュラーは 「三星電子がアップル製品を販売禁止させるために行き過ぎた方法を使ったことが反独占法の介入を呼び入れる結果になった」として「今回の調査はアップルと三星の訴訟局面にとてかなり重大だ」と話した。


実際、標準特許に期待をかけた三星電子の戦略は先月中旬から徐々に外れ始めた。先月14日、オランダ、ハーグ裁判所が三星電子の出したアップル iPhoneとiPadの販売禁止仮処分申請に対し棄却決定を下したのが最初の信号弾だった。当時、ハーグ裁判所は棄却決定の理由として「三星電子の通信特許は標準特許」であり 「誰でも標準特許を公正に利用する権利がある」という点を前面に出した。法廷でアップルが「三星電子が‘不可抗力的な特許’として多すぎる技術使用料を要求している」という主張をしたことに対し、三星電子側は 「これはアップルが三星の通信特許侵害事実を認めたもの」 としつつ判決に期待をかけたが、正反対の決定が下されたわけだ。標準特許という武器を持ちだした三星電子の戦略はついに反独占調査の口実まで提供したわけだ。


最近<特許戦争>という本を出したチョン・ウソン弁理士は「情報技術分野は特許の威力が強力で製品寿命が短く大部分が交渉で終えられている」として「三星電子もやはり多くの特許を保有しているが法的対応で多くの未熟さを見せた」と話した。チョン弁理士は「アップルが初めて攻撃してきた時、強く対応しなければならなかったができず、販売禁止仮処分申請を食い止めるなり同じ水準の報復をすることができず、通信標準を前面に掲げたことなどが敗着だった」と分析した。


今後ヨーロッパ連合側の調査は標準特許を‘公正で合理的で非差別的に’(FRAND)提供したかに集中するものと見られる。 ク・ポングォン記者 starry9@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/it/504235.html 訳J.S