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カン・マンスのメガバンク、‘第2のリーマン’になるかも

原文入力:2011-05-18午後09:41:08(1681字)
ウリ金融と合併すれば500兆規模‘金融恐竜’誕生
投資銀行業務も兼業…リスク管理 脆弱化の可能性
学界 "住宅銀行と合わせたKB, 競争力持ったか" 反問

チョン・ヒョクチュン記者









産業銀行中心の超大型銀行論の問題点

金融危機以後、水面下に沈んでいた‘メガバンク(超大型銀行)論’がウリ金融民営化と相まって再び話題に浮上している。政府が力で押しつけるメガバンクが、むしろ金融リスクを拡大するブーメランになるという憂慮をもたらしている。

金融圏内外では金融当局が推進中のメガバンクが李明博大統領とカン・マンス産銀金融持株会長の合同作品だという話が専らだ。カン会長は大統領職引継ぎ委員会時期から一貫してメガ銀行論を主張した。しかし2008年の世界金融危機で超大型投資銀行が続々と崩れメガ銀行論は水底で潜伏した。だが、産銀金融がウリ金融引き受けを推進する中で、これを合理化するための名分として再び提示されている。

だが、現在推進されている産銀金融中心のメガバンクは我が国経済にとって薬になるよりはむしろ毒になりかねないという批判が多い。500兆ウォン規模のメガバンクが出てきてもグローバル プレーヤーになるどころか、国家経済に大きな負担だけ負わせるだろうという指摘だ。

最も大きな問題は金融システム リスクが大きくなるという点だ。ウリ金融と産銀金融が合併すれば、商業銀行と投資銀行(IB)を兼業することになる。莫大な外部借入で高収益投資を行う投資銀行と、リスクの低い一般小売り業務中心の商業銀行が業務を共にする場合、リスク管理が弱くなる可能性が高い。グローバル金融危機の時、投資銀行リーマンブラザーズ発で世界最大金融グループ シティーグループまでが虚しく崩れたのもそのためだった。危機が迫れば該当金融会社にとどまらない。金融市場全体と国の経済が放浪することになる。また、それに見合った金融監督力量を備えているかも疑問だ。貯蓄銀行一つですらまともに監督できずに、資産数百兆ウォン規模のメガバンクをどうして監督できるかについて何の代案も提示できずにいる。ホン・ジョンハク キョンウォン大教授(経済学)は「メガバンク中心の米国と英国がグローバル金融危機の根源地になったが、大型化しなかったカナダは相対的に安定していたという点を良く見なければならない」と指摘した。

国内金融グループどうしが結合しメガバンクになれば国際競争力が強まるという主張も説得力に欠ける。産銀金融とウリ金融は共に国外市場基盤が脆弱だ。日本は去る20年間に多くの銀行が3ヶのメガバンクに統合され、中国は時価総額世界1位の工商銀行を含め数多くの超大型銀行を持っている。しかし、これら銀行の信用等級はヨーロッパの小さな銀行にも遅れを取っている。ある都市銀行関係者は「国際金融市場で基軸通貨を使う国とそうではない国の銀行競争力は大きな差を示す」とし「規模を大きくして外に出て行っても競争力が強まりはしない」と話した。チョン・ソンイン弘益大教授は「住宅銀行と国民銀行を併せて超大型のKB金融グループが誕生したが、果たしてKBが国際競争力を持ったか」と話した。

メガバンクが金融会社らの必要によるものではなく政府が押しつける方式で推進されているという点も憂慮される。シナジー効果を問い詰め自然に買収合併がなされるのではなく、ウリ金融を産銀金融へ無理に取ってつけようとしているためだ。実際に産銀金融とウリ金融は共に企業金融に強いためシナジー効果は大きくなく民営化日程が遅れるだけとなる可能性が高い。むしろ官僚支配金融が強化され金融会社の競争力は遅れをとることになる可能性が高い状況だ。

チョン・ヒョクチュン、イ・ジェミョン記者 june@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/478631.html 訳J.S