原文入力:2011-03-31午後10:37:02(1464字)
1ドル1096.70ウォン…2年6ヶ月ぶりに1000ウォン台へ進入
アン・ソンヒ記者
ウォン-ドル為替レートが2008年の世界金融危機以後、初めて1000ウォン台に降り立った。この間、政府は外国為替市場介入を通じ1100ウォン台を支えてきたが、最近‘高為替レートで物価上昇を煽り、輸出大企業にだけ特恵を与えている’という批判が強まる中で一歩後退したものと見られる。
31日、ソウル外国為替市場でウォン-ドル為替レートは前日より7.50ウォン下がった1096.70ウォンで取引を終えた。ウォン-ドル為替レートが1100ウォンを下回ったのは米国投資銀行リーマンブラザーズ破産直前の2008年9月10日(1095.50ウォン)以後、2年6ヶ月ぶりだ。
この日の為替レート下落は外国人の株式買収、輸出企業のドル売りなどが原因だが、もう少し根本的には政府がウォン為替の切下げ(為替レート下落)を容認したためだ。ある外国系銀行外国為替ディーラーは「最近、当局の動きと発言等を通して当局が1100ウォンに固執しないという点が明らかになった」として「この日も1100ウォンを割れるとすぐに政府介入が入って来はしたが強くはなかった」と話した。
‘特定為替レートを目標にしての介入はしない’ということが政府の公式立場だが、政府がこの間は事実上1100ウォンを‘マジノ線’とみなし 市場介入を行ってきたことは公然の秘密だ。金融危機以後、1500ウォンまで噴き上がったウォン-ドル為替レートは、2009年下半期から順次安定したものの1100ウォン以下には下がらなかった。政府は昨年4月26日(1104.10ウォン),11月5日(1107.30ウォン),今年2月8日(1104.70ウォン)等、為替レートが1100ウォンに近接する度に市場でドルを買い入れ為替レートを引き上げてきた。為替レートが高く維持される中で輸出企業は好況を享受でき、それは昨年 我が国の経済が6.2%成長をする一助となった。
だが、今年‘物価大乱’が現実化する中で高為替レート基調に対する批判が強まり始めた。高為替レートは輸出には役立つが、我が国のように原油と原材料の大部分を輸入しなければならない国では物価を引き上げるためだ。30日、国会民生対策特別委でもチョン・ボムク議員(民主党)が「高為替レート政策で大企業は腹がいっぱいだが、国民は苦しんでいる」と話すなど、批判発言があふれ出た。しかも、1日に出てくる3月物価は5%に肉迫すると予想されている。
政府は4月の補欠選まで控えた状況で、ある程度の為替レート下落を容認するほかはないという判断をしたと見られる。ある外国為替当局高位関係者は「(ウォン為替切下げ)方針がすでに立ったが、最近 中東・日本事態の打撃を受け市場が助けないだろう」と話した。
だが、政府が依然として今年の5%成長率に固執しており、そのためには輸出増大が重要だという点で、政府が‘高為替レート基調’を完全に放棄し大幅な為替レート下落を容認するか否かは未知数だ。外国為替市場関係者は「為替レートが当分は1080~1100ウォンで動くと予想する」と話した。
アン・ソンヒ記者 shan@hani.co.kr
原文: 訳J.S