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‘キム・サンス式 無限競争’韓電内部で反旗翻す

原文入力:2011-01-26午前08:32:37(2095字)
組織に緊張感呼び込んだが
‘ごますり文化’副作用 産む
核心役員 7人中 5人 TK(大邱・慶北)
情実・偏重人事論難 拡大
会社側 "費用節減など成果も"

イ・スニョク記者

幹部出身社員ら‘第2労組推進’

我が国最大の公企業である韓国電力で幹部出身職員らを中心に第2労組設立が推進されている。これらは自分たちの権益保護とともに民間企業最高経営者出身のキム・サンス(写真)社長の会社運営方式に公式的な問題提起を行う計画であり、韓電内部の種々の問題点が新たに論難になっている。

■ 無限職務競争にごますり文化が拡散
LG電子副会長出身のキム・サンス社長は去る2008年8月の就任と共に革新を強調した。水ぶくれしていた公企業を改革しなければならないということだった。 そのためにまず‘問題を解きほぐした(Tear Down)’後‘根本問題を診断し組織とサービスを再構成(Redesign)’というTDR(Tear Down & Redesign)という新経営技法を導入し、次長級以上は職務を巡り無限競争を行うようにした。 送変電・配電・販売などの機能別組織も15ヶ地域事業本部に統廃合した。

この内、無限競争職位制度は韓電の既存組織文化を大きく揺るがした。次長級以上4000人余りがすべての職位に公開志願・競争し、本部長がチーム長とチーム員を選ぶことになった。職位競争から脱落すれば補修教育を受けた後に再配置し、3度職位を受けられなければ強制退出させる三振アウト制も適用した。

これは人事請託排除と能力にともなう責任者を強化するための措置だったが、また別の‘ごますり文化’を強化した。選抜権を持った直属上司が生殺与奪権を握るためだ。ある職員は「組織の腰の役割をする次長級にまで職位競争をさせたことは問題だった」として「チームワークや会社全体を考えるよりは、自分の仕事だけを考えたり、上司によく見せることを最優先視する傾向が強まった」と話した。

←キム・サンス社長

■核心役員らはキム社長と同郷
職員についてはこういう苛酷な競争に追い詰めたが、元々キム社長自身は情実人事論議から自由ではない。核心職務をキム社長と同じ‘大邱・慶北’(TK)出身者がほとんど独占したためだ。

キム・ウギョム事業総括副社長は慶北尚州出身で尚州農高と嶺南大出身であり大邱電力管理処長などを務めた。アラブ首長国連邦原子力発電所など主要国外事業を担当するビョン・ジュンニョン副社長は慶北奉化の出身だ。更に韓電全体組織を管理(人事)し最大の利権(資材)を管轄するイ・トシク管理本部長もまた慶北醴泉の出身だ。役員6人の内、核心要職の4つをTK出身が占めているわけだ。人事処長、建設本部長、ソウル地域本部長などの核心要職にキム社長と同窓の漢陽大出身が多く配置されたことについてもうわさが多い。

これに対して会社側は 「本社処長と地域本部長の内、大邱・慶北出身比率は20%台に過ぎない」と反論した。だが、20年以上勤めたというある職員は「過去にも(人事で)政権風に乗ったりしたが、こんなにまで偏重されたのは初めて」と話した。

■経営指標も最悪…リーダーシップ論難
キム社長は革新と効率、収益を強調したが実際の経営成績表はみすぼらしい。2008年に3兆ウォン台の営業損失を出したのに続き、昨年も3分期までの営業損失が1兆8764億ウォンに達した。キム社長在任3年間の営業収支で6兆ウォンほどの赤字が積もった。もちろん電気料金が政府の統制下にある以上、赤字を経営能力と直結することには無理があるが、社長と関係がない数値とばかりも言えない。

結局、第2労組推進も内部構成員ばかりを急き立てるキム社長の経営スタイルが限界に至ったという傍証ではないかという解釈が多い。去る年末、自身の去就に関し聞いただけでも当事者はもちろん上級者まで厳重問責する公文書を送ったこと(2010年12月6日付14面)もまた、そのような危機感の発露という評価だ。 経歴20年のある技術職社員は「民間企業の場合は誰が冷蔵庫を何台売ったか数値化がやさしいが、公企業のサービスの質を評価する問題はとても難しく慎重に接近するべきだが、キム社長はひとまずゴリ押しして見ようというスタイルだった」として「無条件に競争するとして火をつけておき、下の人々だけをつつきまくった結果、内部疲労感が深刻な水準」と話した。

これと関連して会社側は「アラブ首長国連邦原子力発電所輸出を成功させ、骨身を削る自助努力の末に1兆ウォン以上の費用節減を図るなど、政府経営評価で3年連続首位を達成した」とし「民間出身のキム社長が成し遂げた成果も少なくない」と明らかにした。

イ・スニョク記者 hyuk@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/460652.html 訳J.S