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不通文化・皇帝経営、‘若い三星’の‘長年の懸案’

原文入力:2010-11-21午後09:44:32(2271字)
疎通文化拡散の中‘隠して揉み消す’組織文化 論難
白血病疑惑・無労組など‘不通経営’に不信山積
‘1% 持分で無所不為 総帥’支配構造 わい曲 深刻
企業構造革新・三星電子 収益構造 調整も課題に

キム・ギョンナク記者

←イ・ジェヨン三星電子副社長が去る3月、ソウル、中区、巡和洞の湖巌アートホールで開かれた三星グループ創業者‘故イ・ビョンチョル会長誕生100周年記念式’に参加している。 <ハンギョレ21>キム・ジョンヒョ記者 hyopd@hani.co.kr

三星イ・ジェヨン‘予備総帥’時代
去る10年余り、三星の‘最大実力者’と呼ばれてきたイ・ハクス三星電子常任顧問(前戦略企画室長)が事実上 経営一線から退くことが去る19日発表された。これに伴い、イ・ゴンヒ三星電子会長の一人息子‘イ・ジェヨン時代’が大きく近づいたと見られる。イ副社長は翌月に予定されたグループ役員人事で社長昇進と共に新しく復元するグループ体制で重責を引き受けることが確実だ。三星の3世経営が本格化するわけだ。年間売上(220兆、2009年基準)が国内総生産(GDP)の18%を占める三星グループ‘予備総帥’の前途には確かな道だけが敷かれているわけではない。三星会長の資格があるのかという根本的な論難を払拭させることから三星の未来経営戦略に至るまで彼が解かなければならない課題は決して侮れない。

■過ぎた歴史と現住所 事業報国
創業者 故イ・ビョンチョル会長が自叙伝<湖巌自伝>で明らかにした企業経営目標だ。三星グループの母胎が三星商会(現 三星物産)と第一製糖、第一毛織であることも光復以後、疲弊した韓国経済で国民が必要とする物品を悩んだ結果だったというのが彼の説明だ。日帝強制占領期間と権威主義政権時代の企業家としての宿命が伺える。

その後に続いたイ・ゴンヒ会長は政治的民主化時代の経営者だ。経済的には国家主導経済から市場主導経済への転換期の企業家でもある。"経済は2流、行政は3流、政治は4流" というイ会長の1995年‘北京発言’はこういう世相を反映している。企業家の声が大きくなった結果 "すでに権力は市場へ渡った" という故盧武鉉前大統領の自嘲的宣言が出てきもした。

‘イ・ジェヨン時代’は政治・社会・文化的には‘疎通の時代’、経済的には‘不確実性の時代’だ。スマートフォン市場の急成長はこういう時代の流れを凝縮している。人々はお互いの関係を結ぶことと疎通に焦る。生産と消費、取引の成否が円滑な疎通で決まる。企業の新たな機会もこういう疎通から開かれる。

←三星総帥 年代記/年度別 三星グループ売上額推移

■‘不通経営’解消が重要
“誰も信じない弁明”
最近、文化放送(MBC)の内部情報流出に三星幹部がかかわった事件に対する参与連帯の論評の一部だ。組織的行為ではないという三星の解明に対する強い不信がこめられた。市民社会のこういう不信はイ・ビョンチョルとイ・ゴンヒ時代の否定的遺産の結果だ。前職三星高位役員は“‘できるだけ隠して、ばれたら揉み消す’というのが過去の三星の疎通方式”と打ち明けた。

こういう疎通方式は最近2~3年間、三星内部でも つとに論議されてきた。数年間にわたりふくらんでいる三星電子半導体工場の白血病疑惑事件もその一例だ。三星電子関係者は「年初非公式社長団会議で、払うものは払って行こうという意見と、もう少し慎重でなければならないという意見が対抗した」とし、「現在進行中の作業場環境点検の結果、問題があるとそのまま発表することもできないし、実際に何の問題もないと(発表)しても、それが受け入れられる社会環境でもない」と話した。スマートフォンなど疎通の象徴物を主力製品として売りながら、三星自体は高い壁に遮られているわけだ。無労組経営も三星の‘不通経営’の象徴に挙げられる。

■所有・支配構造 改編
三星の複雑な支配構造はイ・ゴンヒ会長も解くことが出来ない課題だ。系列会社の間に複雑に連結されている出資構造は、市民社会はもちろん投資家にも三星の透明経営に疑問を抱かせる。総帥一家がわずか1%にもならない持分率で総資産343兆ウォンのグループを掌握するわい曲された所有構造だ。同様な所有・支配構造を持っていたLGとGS,斗山、SK等その他の財閥はすでに持ち株会社転換をしたり、あるいは進行中だ。三星のある役員は「持ち株会社転換のためには数兆ウォンの費用が発生する」として「イ会長がイ副社長に譲る状況の中では最も難しい宿題だろう」と話した。

同じ脈絡で権限と責任の不一致論議をかもすグループ コントロールタワーの復元問題もイ副社長が解かなければならない宿題だ。持ち株会社転換のための過渡期組織ではなく、旧戦略企画室と同じようにグループ運営を勝手気ままに行う機構に進む場合には‘法の上の三星’という批判が出て来ざるを得ない。この他に半導体事業に過度に依存する三星電子の収益構造を改善することもイ副社長の役割だ。
イ副社長が先代の遺産から何を継承し何を捨てるかにより、三星グループの将来も変わるものと見られる。
キム・ギョンナク記者 sp96@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/449824.html 訳J.S