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米国債の海外保有比率が低下した理由

登録:2026-02-03 06:44 修正:2026-02-03 09:30
コン・ドンラクの経済ストーリー
米ドル紙幣/ロイター・聯合ニュース
コン・ドンラクの経済ストーリー//ハンギョレ新聞社

 米国の金利がなかなか安定しない。2024年と2025年にわたり政策金利はそれぞれ100bp(1bp=0.01ポイント)、75bpも引き下げられたが、市場金利は依然として高い。政策金利が引き下げられると市場金利が低下するという公式が機能せず、市場の疑念は自然と債券の需給環境へと移っていく。

 ちょうどその時、米国以外の主要国の市場金利も政策金利引き下げを適切に反映できないばかりか、むしろ上昇(債券価格の下落)している状況は、需給に対する疑念をさらに強めた。要するに、過去の市場金利を予測するには政策金利の変化を正確に予測すべきだという通念が徐々に崩れつつあると言える。

 ここまで来ると、債券の需給をめぐる誤解も同時に増幅されている。最大の誤解は米国債をめぐるもので、米中の覇権争いや、過去とは異なる米欧関係といったいわゆる「軋轢(あつれき)ストーリー」に基づく根拠不十分の噂話だ。

 こうした主張は、米国債に対する海外部門の保有比率が過去数年間で大幅に低下したという数値を根拠に再生産されている。2019年末に46.1%だった米国債に対する海外部門の保有率は、2025年6月末には36.9%と9.2ポイントも下がった。「中国が米国債を売却する」、 「欧州が米国債を買わない」といったもっともらしい話が相次いだ。

 しかし、当該データを構成する内容を見てみると、こうした噂がいかに根拠の乏しいものなのかがすぐにわかる。コロナ禍直前の2019年末基準で、海外部門が保有する米国債残高は6兆8千億ドルで、2025年11月には9兆4千億ドルだ。6年間で2兆6千億ドル(38.2%)増えた。したがって、海外部門が米国債を売却したとか保有規模を縮小したというのは、それ自体が誤りと言える。

 では、米国債に対する海外部門の保有比率の低下は何を意味するのか。海外部門が着実に米国債の購入や保有を増やしたにもかかわらず、それ以上に米国債の発行が大幅に増加したことを示唆している。つまり、海外部門が新たに米国債を購入する速度に比べ、米国政府が発行を通じて増やした国債の残高増加幅がより大きく、速度も急激だったという意味だ。

 実際、過去6年間で米国債の発行残高が増加した規模は9兆9千億ドルだった。パンデミックの過程で政府が資金を投入して問題を解決した結果、国債の発行が急増し、こうして一旦増加した債務は利子負担などが加わり、むしろ雪だるま式に膨らんだ。

 こうして債券発行量の増加は債券価格の下落(金利上昇)を招き、今では他のどの要因よりも市場金利への影響力そのものを強めた。今や政策金利の決定と同様に、どれだけ債券発行が増えるか、どの満期の債券発行をさらに増やすかといった需給環境の点検が重要な時期となった。

コン・ドンラク|大信証券エコノミスト&債券アナリスト(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1242950.html韓国語原文入力:2026-02-02 19:04
訳H.J

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