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精算遅く資金繰りに困難…韓国クーパン入店販売者は物流センターでアルバイト

登録:2025-12-11 08:35 修正:2025-12-11 10:45
クーパン帝国の陰 
市場支配力乱用する「暴君」 
今月8日、ソウル市内のクーパンの物流センター前の配送車両/聯合ニュース

 年間売上高が30億ウォンほどの販売業者のAさんは、ロケット配送(クーパンが直接購入して早朝に配送)で健康管理用品を供給していたが、2021年にクーパンから納品価格の引き下げを迫られた。Aさんは「あの時、クーパンにはネイバー(価格比較サービス)の最低価格より低くするよう要求された。その価格では損害を被らざるを得なかったが、『その金額でも納品するという業者は多い』と迫られた」と話した。Aさんは「2回納品したが、不可能な価格も『できるようにしろ』と迫られ逆マージンになったが、それでは続けられないため、結局納品を中止せざるを得なかった」と説明した。

 外国系ブランドの製品を国内で扱うある販売業者も最近、クーパンから直接納入を提案された。しかし、同社は何度も断った。一手販売の業者が直接クーパンに供給すれば短期的な利益はありうるが、長きにわたって取引してきた国内代理店が大きな損失を被ることは明らかだったからだ。断ったにもかかわらずクーパンの社員が何度も訪ねてきて、「ならば外国系ブランドの本社と直接取引する」と迫られたという。

 物流センターの拡充、直接購入を基盤とするフルフィルメントシステム(物流業者が商品の入庫、保管、包装、配送、返品を代行する統合物流サービス)を掲げて早朝配送で韓国国内の流通を掌握したクーパンは、その過程で各種の社会的コストと負担を販売者、納品業者、労働者、消費者などに転嫁していると批判されている。「クーパン式革新」と便利さ、最低価格という消費者の福利の裏では、圧倒的な市場支配力を利用した価格引き下げの強要、アルゴリズム操作、労働者の死などの様々な弊害が山積みになっているという指摘だ。eコマース業界のある関係者は、近ごろのクーパンに対する批判について「クーパンが10年あまりの間、成長のために抑えつけて来た弊害が今、一度に爆発しているようにみえる」と語った。

■クーパンの物流アルバイトをする販売者

 クーパンは米国企業アマゾンの「フライホイール(Flywheel)」戦略をベンチマーキングして配送の早さ、便利な返品・交換サービスで消費者を引きつけ、それを基盤として販売者を集め、企業規模を拡大してきた。問題は、こうして規模を拡大してきたクーパンが、競争力を維持するために入店販売者を様々なやり方で締め上げていることだ。

 販売者は、クーパンの様々な取引慣行の中でも「精算の遅さ」が最大の負担だと指摘する。クーパンは直接購入(ロケット配送)商品の販売代金を60日目に精算しているが、大規模流通業法は直接購入の精算期限を「60日以内」と規定しているため、違法ではない。しかし大規模スーパーやデパートなどの伝統的な流通企業の直接購入の精算周期が20~40日ほどであることを考えると、販売者にとっては資金流動性の面で大きな負担となっているのは間違いない。

 そのため、商品を納品している販売者の中にはクーパンでアルバイトをしている人までいる。2023年にクーパンに入店した販売者のBさんは、今年初めに3カ月間、クーパン物流センターでアルバイトをしたという。朝8時に自社に出勤して夜7時まで業務をこなし、夜8時にシャトルバスに乗ってクーパン物流センターに行って働いた。Bさんは「品物がよく売れてもクーパンの最終精算が遅いので資金が回らず、製品を追加調達できなかった」と語った。3000万ウォン借金して商品を調達したが、何日か品切れになっている間に「品質の点数」が下がったため商品が上段に表示されず、販売量も大きく落ちてしまった。3000万ウォン分の商品はそのまま在庫となった。結局、Bさんは資金を調達するために物流センターでアルバイトをせざるを得なかったと話した。Bさんは「クーパンの精算が遅いせいで、商品価格を調達するために借金したりアルバイトしたりしている販売者は多い。精算の負担が重くてもそれだけクーパンを使う人が多いので、販売者もクーパンにすべてを賭けざるを得ない」と話した。

 成長奨励金や広告費などの各種コストの要求も絶えない。2023年からクーパンで包装用品を販売してきたCさんは、「入店1年後から、売上の10%を成長奨励金として出せと要求された。断ったらクーパンから注文が入ってこなくなった」と語った。6カ月間断り続けたCさんは、最終的に売上の8%を成長奨励金として出す契約を結んだ。その後、2024年下半期、2025年上半期の二度にわたって単価引き下げを要求された。今年4月、Cさんは結局廃業した。Cさんは「成長奨励金を出し、広告も流し、単価も引き下げた。これ以上どう持ちこたえろというのか」と訴えた。

■クーパンには大企業も押され気味

 クーパンの圧力は大企業にも加えられた。CJ第一製糖などがクーパンと対立したのが代表的な例だ。クーパンは2022年、CJ第一製糖にヘッパン、ビビゴなどの主要製品の単価引き下げ、物量拡大を要求。CJ第一製糖に拒否され、ロケット配送用の直接購入の発注を中止した。両者は約1年8カ月の休止期を経て取引を再開した。その他にもクーパンはLG生活健康、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ユニリーバなどグローバル企業とも類似の対立を引き起こした。ある食品企業の関係者は「大企業はそれでもぶつかったり耐えたりしながら交渉できるが、中小企業と個人販売者には不可能」だと語った。

 このような納品業者に対する締め付けと不公正な取引慣行は、競争当局との摩擦へとつながっている。クーパンは自社ブランド(PB)商品などが上に表示されるようにアルゴリズムを操作した疑い、社員を動員してレビューを作成した疑いで昨年6月、公正取引委員会から1628億ウォンの課徴金の支払いを命じられている。公取委は現在、クーパンの有料サービス「ワウメンバーシップ」とクーパンイーツやクーパンプレイなどの付加サービスをまとめて販売しているのは「抱き合わせ販売」に当たるとみて、制裁手続きにも着手している。クーパンの配達アプリ「クーパンイーツ」は、入店業者に飲食価格と各種特典をライバル会社と同水準に引き下げるよう「最恵待遇」を強要した疑いも持たれている。

 参与連帯のキム・ジュホ民生経済チーム長は、「クーパンの市場への影響力は巨大で、たとえ不公正行為を犯しても調査と制裁までには少なくとも2~3年かかるため、入店業者は損害を被っても『脱クーパン』するのが難しい」として、「現行法では、クーパンの不公正行為の即時規制は難しいため、国会は早急にオンラインプラットフォーム独占規制法(韓国型デジタル市場法(DMA))制定などに取り組むべき」と提言した。

ソ・ヘミ、イ・ジュビン、キム・ユンジュ、ソン・ダムン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1233736.html韓国語原文入力:2025-12-10 05:00
訳D.K

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