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ウォン安ドル高を狙う外国人投資家…「構造的なウォン安」と判断し「為替ヘッジ」へ

登録:2025-11-26 06:47 修正:2025-11-26 08:25
ウォン調達方式「為替リスクオープンから先制的為替ヘッジ」へと変更 
「構造的なウォン安」と判断し短期ベッティング、ドル買いも優勢
25日、ソウル中区のハナ銀行の「ディーリングルーム」の現況板にKOSPI指数、ウォン相場などが表示されている/聯合ニュース

 最近1ドル1500ウォン台に近づくウォン安の流れについて、「世界の金融市場で代表的な危険通貨であるウォンが、米国による関税爆弾など脱グローバリゼーションの保護貿易主義時代に適応する過程に入った」との分析が示されている。また、韓国の外国為替需給市場で、企業と個人投資家の行動に構造的変化が表れており、特に外国人投資家がこのような構造的変化を踏まえ、韓国の株式・債券投資資金調達方式を「為替ヘッジ」へと変更したことで、ウォンの不安定性が高まっているものとみられる。

 ウリィ銀行のエコノミスト、ミン・ギョンウォン氏が11日に発表した報告書「危険通貨のマスコット、ウォンの脱グローバリゼーション適応期」は、最近の韓国の外国為替市場の需給において、ウォンが「構造的劣勢の負担」を明確に抱えていると分析する。ミン氏は「10月と11月初めまで外国人投資家の資金が国内株式市場に大規模に流入した時期にも、ウォンの為替レートが下がる一見理解しがたい奇現象が表れ、しかも経常収支が9カ月連続で黒字を出しているにもかかわらず、下降一辺倒を見せたウォン相場の方向性は『貿易黒字=ウォン高』という従来の常識からも外れる動き」だと指摘した。

 ウォン安を招く構造的要因としては、個人投資家の海外株への投資の拡大▽輸出企業のドル輸出代金の現地再投資(ウォン両替の縮小)▽韓米関税交渉による3500億ドル(今後10年)の対米現金投資の所要▽「経常収支黒字=ウォン高」の流れからの明確な離脱▽最近の外国人投資家による韓国資産(株式・債券)買い入れ用ウォン貨調達方法の変化(既存為替オープンから為替ヘッジへの変更)などが挙げられる。

 特にミン氏は、外国人投資家による韓国株買収の資金調達方法が従来の「為替リスクオープン」から「先制的な為替ヘッジ」へと変わったことで、外国人の韓国株・債券買収がウォン安を相殺する影響力も大きく低下したと分析した。これまで外国人投資家は韓国の株式と債券価格の上昇だけでなく、ウォン高を通じても収益を達成する戦略(すなわち為替変動リスクオープン)を駆使してきたが、最近は「構造的ウォン安の負担」が大きくなっているとみて、為替スワップ(先物為替売りを行うことで為替リスクを事前にヘッジする)方式で資金を調達しているということだ。今年に入って外国人の韓国株式市場への資金流入(累積買い越し)の時点で短期の外国為替スワップが共に上昇する様相を見せたが、これは外国人の為替ヘッジ需要と推定される。

 さらに、構造的なウォン安と判断する外国人の投機的為替需要も最近市場に表れているという。さらなるウォン安ドル高に短期ベッティングする投機的ドル買いも優勢になっている。ミン研究員は「ウォンは国内居住者の海外株式投資の拡大、企業の生産基地の移転で、実体景気と金融市場でドル需要が構造的に増加する難関に直面している」とし、「対米投資の拡大で、貿易黒字はもはやウォン高を意味せず、ウォン高への期待が弱まり、株式市場で外国人資金が為替ヘッジ方式で調達されているため、ウォン安の流れを変えるほどの要因があまり見当たらない」と語った。

チョ・ゲワン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1231150.html韓国語原文入力:2025-11-25 18:51
訳H.J

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