本文に移動
全体  > 経済

イランがホルムズ海峡を封鎖すれば韓国にも影響直撃…国際原油価格7%上昇

登録:2025-06-16 07:48 修正:2025-06-16 09:53
原油の70%以上を中東に依存
イスラエルによる空爆があった今月13日(現地時間)、イランのテヘラン近郊で光とともに煙が立ち上っている/AP・聯合ニュース

 イスラエルとイランの衝突が全面戦争へと拡大する可能性が高まり、国際原油価格が7%以上上昇した。イランによって主な原油の輸送路であるホルムズ海峡が封鎖されると、供給の支障の影響が韓国経済全般に及ぶことが懸念される。

 14日(現地時間)、イランの半官営のタスニム通信などの外国メディアは、イスラエルがイランの最重要エネルギー施設にまで空爆の範囲を拡大したと伝えた。イランもイスラエルの主要都市を標的として報復攻撃を続けている。この日のイスラエルによる攻撃で、イラン南部の湾岸海域にあるサウスパルスガス田の14鉱区の精製施設で大火災が発生したという。

 全面戦争へと突き進む衝突を受けてイランがホルムズ海峡を封鎖すると、韓国も直接的な衝撃は避けられないとみられる。ペルシャ湾とアラビア海を結ぶホルムズ海峡は、世界の原油の海上物流量の20%(一日2090万バレル)が通る最重要輸送路だ。現在、韓国は原油の70%以上、液化天然ガス(LNG)の30%以上を中東に依存しており、その大半がホルムズ海峡を通過する。これこそ、海峡が封鎖された場合、エネルギー供給が不安定になるなどの深刻な衝撃が懸念される理由だ。ただし、昨年4月のイスラエルとイランの衝突ではもちろん、湾岸戦争でも同海峡が封鎖されたことはない。

 市場も、当面の原油価格の上方圧力を既成事実化しつつ、ホルムズ海峡に神経をとがらせている。新韓投資証券のイ・ジンミョン研究員は、「対立が短期間で解決される可能性は低いため、原油価格の上方圧力が強まるのは避けられない」として、「ホルムズ海峡が封鎖された場合は、深刻な供給支障が引き起こされるだろう」との見通しを示した。

 国際原油価格は急騰している。13日のニューヨーク商業取引所でのWTI(西部テキサス)原油先物(7月物)の終値は前日より4.94ドル(7.26%)上昇の72.98ドルで、シンガポール市場でのドバイ原油の現物の終値は3.92ドル(5.71%)上昇の72.49ドル(韓国石油公社による推定)。昨年4月と10月にもイスラエルとイランとの衝突で原油価格が急騰しているが、当時はイランの対応が限定的だったことなどで、原油価格の上昇は2~3週間で止まった。LS証券のホン・ソンギ研究員は「イランがイスラエルへの報復攻撃を拡大して準全面戦に突入すると、イラン産原油の一日100万~150万バレルの供給に支障が出る恐れがある。対立前の原油価格に比べて15~20%上昇する要因」だとの見通しを示した。

 韓国政府も戦況を注視している。大統領室の高官は15日、「我々は軍事的な対決や緊張の激化に反対の立場であり、すべての当事者の自制を求めている」と述べた。この関係者は、16日からカナダで行われる主要7カ国首脳会議(G7サミット)で議題として扱われる可能性があるとの見通しを示しつつ、「我々は、このような立場に沿ってサミットに臨もうとしている」と付け加えた。

ノ・ジウォン、チョ・ヘヨン、シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1202883.html韓国語原文入力:2025-06-15 18:09
訳D.K

関連記事