21日(現地時間)、米国と日本の財務当局が実施した20年満期の長期国債発行入札で、需要がかなり低調だったことを受け、米日の長期国債利回りが1日に12~13bp(ベースポイント、1bp=0.01ポイント)上がった。米国と日本ともにそれぞれ5年、25年ぶりに20年長期国債の利回りが最大幅に急騰したのだ。両国とも国債取引市場で需要と供給のバランスが崩れ、長期国債利回りと短期国債利回りの間の収益率カーブが交錯し、ますます広がる現象があらわれている。
最近、米国と日本の長期国債の需要が急速に低下した現象には、第1四半期の米日経済のマイナス成長▽コロナ以降の米日財政赤字の深刻化にともなう国債発行の増加への懸念▽トランプ関税による不確実性の拡大▽ムーディーズの米国格付けの引き下げに伴う主要国の財政健全性への懸念と格付けイシューの再浮上などが、複合的に影響している。
このような現象が韓国の長期国債にまで伝染するのではないかという不安も広がっている。米日の長期国債利回りが急騰した余波で、ソウル場外債券取引市場ではこの日午前、韓国の国債10年物の利回りは前日に比べて大幅(3.9bp)に上がり、年2.799%を記録した。国債5年物と20年物の利回りもそれぞれ2.530%(対前日比3.2bp上昇)と2.745%(対前日比2.5bp上昇)を記録した。
21日(現地時間)、米国債取引市場で財務省発行の20年物国債の利回りは年5.12%で、前取引日に比べ13bpも高騰(国債価格急落)した。2020年以来の最高値だ。トランプ政権が進める大規模減税案が施行されれば、今後米国の財政赤字は10年間で3兆〜5兆ドルほど増える可能性があるという見通しが広がり、投資家が米長期国債の売りに乗り出したものとみられる。また、別の長期物である30年物の金利も5.09%で、前取引日に比べ12bp高騰した。
新規発行の米国債においても落札利回りが急騰した。この日、米財務省が実施した20年物国債(160億ドル)の入札で落札利回りは5.047%となり、2023年10月以来初めて5%を上回った。入札参加者の需要が大きく下がったためだが、ムーディーズが17日に米国の国家格付けを引き下げたことで財政健全性への懸念が高まったうえ、今後米国債発行供給の増加する可能性を懸念する投資家たちが増えたことが原因と推定される。今年第1四半期の米国経済の国内総生産(GDP)成長率はマイナス0.3%(直前四半期比年率換算値)だった。
ゴールドマンサックスによると、全世界の投資家は米国債など米国の投資資産の割合を減らし、欧州とアジアへの投資を拡大している。今年に入って最近まで欧州の上場投資信託(ETF)に流入した資金は340億ユーロで、米国ETFに流入した規模の4倍に達する。米国債買い入れ需要が減少すれば、国債価格が下落(利回りは上昇)することになるが、米国債の利回り上昇にもかかわらず、ドル安は続いている。米国債の価格が下がっても外国人投資家らが米国債の買い入れ(ドル需要の増加)になかなか乗り出さず、ドル安が進んでいる。
この日(20日、現地時間)、日本の債券市場で20年物国債利回りも年2.54%となり、前取引日に比べ12bp上がった。この利回りは2000年以来25年ぶりの最高値だ。30年物の利回りも前日に比べ12bp上昇した年3.11%で、1999年以来最高値を記録した。今回の利回り急騰は、日本財務省がこの日実施した20年満期国債(1兆円)の発行入札で市場参加者の応札率が2.5倍を示し、2012年8月(2.38倍)以来最低値を記録したことで発生した。日本財務省の国債20年物入札で、この1年間の応札率は平均3.40倍だったが、今回予想より大幅に低い水準まで需要が急落したのだ。
国際金融センターは「ムーディーズの米国債格下げで各国ごとに財政警戒心が高まった状態であり、トランプ関税に対応するために日本財務当局が内需振興用の国債発行量を拡大する可能性が高くなった」とし、「さらに、日銀が昨年8月から2026年3月まで四半期ごとに約4千億円ずつ国債買い入れを縮小する量的緊縮を施行しており、国債の発行量増加の負担が投資家の間に広がっている」と分析した。日本経済も、今年第1四半期の経済実質成長率は4四半期ぶりにマイナス(-0.2%・直前四半期比)を記録している。日本では米日関税貿易交渉の不確実性が拡大する中、内需振興のための消費税減免や現金支給など政策方向が提示され、今後赤字国債が大規模に追加発行されるという懸念が頭をもたげている。
野村証券など日本の投資銀行は「20年、30年の超長期物の日本国債市場で、需要と供給のバランスが明らかに崩れている」とし、「日本銀行の国債買い入れ縮小政策が続いて利回りが上昇し、(過去に金利が低い)日本に集まったグローバル資金が各国本国に還流(円キャリー巻き戻し)される懸念が再び高まり、グローバル債権金利の急騰につながりかねない」と分析した。