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米国で中国製輸入品の36%はシェア70%以上…「代替困難」

登録:2025-05-05 19:42 修正:2025-05-05 23:59
ドナルド・トランプ米大統領が4月22日、ワシントンD.C.のホワイトハウスのオーバルオフィスで開かれたポール・アトキンス証券取引委員会(SEC)委員長就任宣誓式に参加し、記者たちと対話している=ワシントン/AP・聯合ニュース

 中国を狙って米国が仕掛けた関税戦争の成功は難しいという分析が米ウォール街から出ている。中国製輸入品の相当数が米国の輸入市場でのシェアが圧倒的に高く、競合企業の製品に比べて価格競争力も優れているということだ。関税戦争を通じて中国を排除するサプライチェーンが完成するまで、いっそう高くなる消費・中間材価格に米企業と消費者がどれだけ持ちこたえられるかが注目される。

■ 中国製の商品は安いだけでなくシェアも圧倒的

 国際金融センターが5日に発表した報告書「米国の中国製輸入代替の可能性」によると、昨年基準で米国の中国製商品の総輸入額のうち36.2%(約1580億ドル)に当たる品目が米国の輸入市場でのシェアが70%を上回った。ここには電話機、玩具、蓄電池、ビデオゲーム、プラスチック用品、電気暖房器具、娯楽用品などの消費財が相当数を占める。さらに、中国製総輸入額のうち24.1%に当たる品目の輸入市場でのシェアは81~100%に達する。同報告書は、英国系投資銀行の香港上海銀行(HSBC)とともに、ウォール街を率いるゴールドマンサックスとJPモルガンが先月まとめた分析をもとに作成された。

 中国製商品は価格競争力も優れていた。米国の中国製品の輸入額のうち52.2%に当たる品目は、中国以外の国から輸入された競合製品に比べ、米国市場での販売価格が最大で50%安かった。中国製品の輸入額のうち21%に当たる品目は、競合製品の半分程度の価格で米国内で販売されている。

 輸入市場のシェアと価格競争力を交差分析した結果では、米国の輸入市場でのシェアが60%を上回る中国製品は、他の国から輸入した製品に比べ価格が平均30%安かった。米国の輸入市場シェアが20%以下の中国製品も、競合製品より最大20%安かった。これは中国が安い価格で商品を生産することに特化しており、このような価格競争力は長い時間をかけて良い品質の商品を適時に供給できるサプライチェーンを構築したためとみられる。

 報告書は、かつてトランプ1期の時に中国製商品に高い関税を課したにもかかわらず、玩具、蓄電池、娯楽用品などで中国製品が高い市場支配力を維持した点を指摘し、「米国が中国製品を他国の商品に代替することは難しいだろう」と述べた。

■ 中国製依存度の高い品目ほど価格弾力性が低い

 安い中国製商品の高い市場支配力は、言い換えれば米国企業・消費者の中国製依存度が非常に高いという意味だ。報告書はこれについて「中国製商品に対する米国の消費者の価格の非弾力的需要(価格の変化に対して需要があまり変化しない状態)が存在するとみることができる」と評価した。中国製商品に対して145%に達する高率関税を課し、中国製商品の価格が大幅に高騰しても、米消費者が他の商品に視線を向けるのは難しいという話だ。これは高率関税がそのまま物価上昇と購買力縮小という結果として現れるという意味だ。

 JPモルガンは「中国輸入の依存度が高い品目であるほど、短期的には需要が価格に対して非弾力的だ。米国の消費者は中国製商品に課される高率関税によって著しく価格上昇にさらされることになる」と述べた。さらに、「中国製品を他の輸入品に代替できるとしても、平均的に(中国製より)20~30%高い価格で輸入しなければならない」と補足した。

チョ・ゲワン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1195897.html韓国語原文入力:2025-05-05 17:42
訳J.S

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