チェ・サンモク副首相兼企画財政部長官が昨年、2億ウォン(約2030万円)相当の「米国30年満期国債」に投資していたことが分かった。人事聴聞会で指摘を受けて売却した米国国債を改めて購入していたのだ。外貨政策を総括すべき経済副首相の行為として不適切ではないかとの批判を浴びている。
28日に政府公職者の財産公開を確認したところ、チェ副首相は昨年、30年物の米国債を購入し、年末の財産申告の時点で1億9712万ウォンを保有していた。この国債は米国財務部が2020年に発行し、2050年に満期を迎える30年満期債権だ。
昨年上半期には1ドル当たり1300ウォン台で比較的安定していたドル相場は、下半期に入って米連邦準備制度理事会による金利引き下げ、国際原油価格の上昇、グローバルな不確実性の高まりで急激に上昇。11月のドナルド・トランプ大統領の当選では1400ウォンを超え、続いて韓国国内での12・3内乱発生で1470ウォン台まで高騰した。債権価格と金利が逆の動きを示すことを考慮すると、チェ副首相は金利引き下げを期待して米国債を購入したと分析される。債権は固定された表面金利で利子が提供されるため、政策金利の引き下げによって市場金利が下落すれば価格は跳ね上がる。
チェ副首相の米国債への投資は、過去のチェ副首相の購入履歴とともに語られている。2023年12月の国会人事聴聞会で、チェ副首相が大統領室経済首席在職時に1億7000万ウォン相当の米国債を購入していたことが明らかになったことに対し、野党議員たちは「ドル高騰を防ぐために外貨を注ぎ込んでいる状況にあって、ドルが高騰することで収益率が高まる米国債を購入していた」と批判した。これに対しチェ副首相は「売却する」と表明し、同商品を売った。
しかし、1年もたたないうちにチェ副首相が米国債を再度購入していたことが明らかになったことを受け、民主党はこの日の論評で、「ウォンの価値を守らなければならない経済司令官が、ウォンの価値が下落するほど収益が得られる米国債に投資するとは、正気か」と主張した。
チェ副首相は、特定銘柄の株ではないため問題はないとの立場だ。チェ副首相は「米国債を購入すること自体が公職者倫理法やその他の規定で制限されているということはない。国債への投資規模の方が大きい」と述べた。財産公開によると、チェ副首相は2億4千万ウォン(約2440万円)相当の国債も保有している。