本文に移動
全体  > 経済

韓米FTAを結んだのに関税、なぜ…トランプ大統領が持ち出した「例外条項」

登録:2025-02-17 20:10 修正:2025-02-18 08:54
「国家安保のための措置はFTAの例外」条項悪用 
実際に安保との関連があるかを確認すべきだが…容易でない
ドナルド・トランプ米大統領が2月16日、米パームビーチ国際空港に着陸した後、記者たちに話している/聯合ニュース

 韓国と米国は2012年に自由貿易協定(FTA)を結んで「無関税」を約束したにもかかわらず、ドナルド・トランプ米大統領は「例外条項」を挙げて各種の関税の賦課を予告していることが確認された。国家安保のための措置は韓米FTAの例外になりうるという「23.2条」条項を悪用しているということだ。

 17日、産業通商資源部など韓国政府の関係者の話を総合すると、韓国を狙ったトランプ大統領の最近の関税措置発言は韓米FTAの例外条項を念頭に置いたものだ。韓米FTA協定文23.2条の条項には「国際平和、安全保障の維持または回復に対する自国の義務履行、自国の必須の安保利益の保護に必要だと判断する措置は適用を排除する」となっている。トランプ大統領は、関税政策を米国の安全保障のためだと強調している。

 トランプ大統領は2018年、国家安保を根拠に輸入鉄鋼・アルミニウムの関税を引き上げたが、10日(現地時間)にも韓国製を含むすべての鉄鋼・アルミニウムの関税を同じ理由で一括して引き上げるという計画を発表した。13日にも相互関税措置計画を明らかにし「国家安保の脅威の解消」という名目を掲げた。そしてトランプ大統領は、国家安保が脅かされているとみなすときに使用可能な大統領の関税決定権限(貿易拡張法232条、貿易法301条、関税法338条、緊急経済権限法など)を総動員して全世界を圧迫している。

 韓国政府は当惑している。政府関係者は「韓米FTAで両国の商品が無関税なので、相互関税の対象から韓国は外れると期待していたが、トランプ大統領はFTAの国家安保に関する例外条項を念頭に置いているとみられ、相互関税の概念も範囲を広げている」と述べた。韓国と米国は2012年にFTAを発効し、2022年基準で両国の商品の約98%が無関税だ。

 このような理由から、トランプ大統領の関税措置が実際に米国の安保と関連があるのか、韓米FTAの例外条項に該当するのかなどを問い詰めるべきだという指摘が出ている。しかし、トランプ大統領の攻撃的な性向と大国である米国の地位を考慮すると、韓国政府が強く問い詰めるのは難しいというのが専門家たちの観測だ。また、韓米FTA違反に対する世界貿易機関(WTO)への提訴も、米国の委員選任拒否によって上訴機関がまひしているため、紛争解決手続きがまともに進まない可能性も大きい。貿易協定の専門家であるソン・ギホ弁護士は「トランプ大統領の関税措置は、法律上では韓米FTA違反が明確だが、韓国政府が進んで問題提起するのは容易ではない」として「市民団体やメディアがFTA違反の可能性を言及し続け、韓国政府の交渉力を高めなければならない」と話した。

チョン・スルギ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1182903.html韓国語原文入力:2025-02-17 18:38
訳J.S

関連記事