「2030年までに海外依存度50％以下を目標」
韓国政府は今後3年間に55兆ウォン（約6兆円）以上を研究開発（R&D）、輸入多角化などに投入し、経済安保と直結した核心品目の特定国への依存度を現在の70％から2030年までに50％以下に下げることにした。国外核心鉱物の確保のための事業発掘にも民・官が共に乗り出すことにした。
政府は19日、チェ・サンモク副首相兼企画財政部長官の主宰で第3次サプライチェーン安定化委員会を開き、このような内容の「第1次サプライチェーン安定化基本計画」を確定したと明らかにした。
米トランプ政権のスタートを控え、通商環境が急変し、対外依存度の高い韓国経済に不確実性が高まった状況だ。これに対し韓国の産業と国民生活に必須な300余りの品目を経済安保品目に事前指定し、これらの品目の供給安定性を確保するために3年間に施行する基本計画を用意した。ただ、具体的な品目は外部に脆弱性を露出することになるという理由で公開しない。
まず政府は今回の基本計画を通じて、これらの経済安保品目の特定国家への依存度を昨年の70％から、27年には60％、30年には50％以下に下げるという目標を立てた。このため来年から2027年までサプライチェーン・経済安保次元で重要な核心技術の研究開発（R&D）に政府財政を25兆ウォン（約2.7兆円）以上投入する。素材・部品・装備など経済安保品目の代替・再資源化技術、半導体・二次電池・バイオなど国家先端戦略技術などが支援の対象に挙げられる。
経済安保品目を生産・流通したり安定的に需給することに寄与する民間企業に金融支援するための供給網安定化基金の規模も既存の5兆ウォンから10兆ウォン（約1.08兆円）に拡大し、3年間で計30兆ウォン（約3.2兆円）を投入する方針だ。低金利の融資や保証だけでなく直・間接投資などにも乗り出す。輸出入銀行に専担組織を新設し、国外の核心鉱物事業などに持分を投資し、1兆ウォン規模の私募ファンドを造成して間接投資にも乗り出す予定だ。
需給中断時の波及効果が大きいが、対外依存の他に対応手段の準備が容易でないハイリスク経済安保品目は、国内生産の促進、備蓄、輸入先の多角化などを支援するための別途の「供給網安定化支援プログラム」（仮称）も導入する。尿素など特定国への依存度が高い品目の輸入単価差額を支援し、経済性の不足で国内生産が難しい場合にも支援する。また、民・官合同で「核心鉱物投資協議会」を設け、事業を発掘し、民間が主導する事業に公共部門が共同投資・保証なども提供することにした。
チェ・サンモク副首相は「米国の新政府スタート以後に展開される保護貿易主義政策によるグローバルサプライチェーンの不確実性が高まっている」として「本日の基本計画を通じてサプライチェーンリスク対応体系を完備する」と話した。
訳J.S
