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韓銀「米・中、内需中心の成長…深刻化すれば韓国の輸出に打撃」

登録:2024-05-24 19:02 修正:2024-05-25 09:16
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 韓国銀行は、米中両国が積極的な財政・産業政策に後押しされ内需中心の成長が続くとの展望を示した。こうした流れは短期的には韓国の資本財輸出を増やすだろうが、両国のセグメント化と自国内生産依存度が高まるほど輸出には否定的な影響を及ぼすと診断した。

 韓銀は24日に発表した報告書「最近のG2経済状況に対する評価および示唆点」で、米国の第1四半期の経済成長率は1.6%で予想よりは低調だったが、高金利状況でもなお良好な雇用に後押しされ、消費が堅調で設備投資も増加に転じ、内需中心の成長モメンタムが続くと評価した。

 中国の場合、製造業・社会間接資本(SOC)部門の投資と輸出が増え、不動産景気と消費不振を挽回し、第1四半期の成長率は5.3%を示した。財政余力が制限された地方政府に代わって、中央政府が昨年1兆元(約21.6兆円)規模の国債を発行して造成した財源でインフラ投資を拡大した影響だと報告書は分析した。

 また「最近、両国の良好な成長傾向は積極的な財政浮揚策にかなりの部分依存している」として「米中対立にともなう先端製造業の優位競争が高まり、産業政策を通じた投資促進も成長を牽引している」と診断した。

 報告書によると、米国は第1四半期に資本財の輸入と設備投資が増加したが、これは産業政策の影響で増えた半導体・電気自動車(EV)などの新規工場の需要と分析される。中国もやはり既存の労働集約的産業から脱皮し先端製造業と高付加価値産業への転換を図り、第1四半期中に製造業と社会間接資本部門の投資が拡大した。中国は米国との貿易摩擦で輸出環境の改善が難しいため、民間消費の回復と先端産業の投資拡大など、内需中心の成長に転換しているという評価だ。

 報告書は「米・中の投資拡大は短期的には韓国の資本財輸出に肯定的な影響を及ぼし、米国の対中輸出規制は半導体・自動車など韓国の主力商品の輸出に役立つだろう」としつつも「しかし、両国間のセグメント化が深刻化し、自国内での生産依存度が高くなるほど、韓国の輸出も否定的な影響を受けるだろう」と診断した。

キム・フェスン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1141934.html韓国語原文入力:2024-05-24 14:26
訳J.S

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